営業時間が、いつの間にか実際と違う時刻に変わっている。住所の番地がずれている。Googleビジネスプロフィール(GBP)を自分で運用していると、触っていないはずの項目が書き換わる場面に当たります。

ここでやることは 2 つです。誰が変えたのかを先に確定させ、その経路に合った戻し方を選ぶ。経路を確かめずに上書きし直すと、同じ書き換えがもう一度入ることがあります。

上書きしてすぐ直らなくても異常ではありません。Google は編集の反映について「通常、編集内容の審査には最長で 10 分ほどかかりますが、場合によっては最長で 30 日ほどかかることがあります」と書いています。30 日の側に入っているのか、そもそも別の経路で書き換えられているのかは、待っているだけでは区別が付きません。

情報が勝手に変わる3つの経路

プロフィールに変更が入る道は、大きく 3 つに分かれます。どれに当たったかで、戻す操作も、戻るまでの時間も変わります。

なお、Google がプロフィールを「特に個人的な場所」と判定することがありますが、これは公開設定にも、ユーザーがプロフィールを操作する機能にも影響しません。情報が書き換わる症状とは別の話なので、この記事では扱いません。

経路A: 一般ユーザーからの編集提案

この経路の入口は店の外にあります。オーナー確認をしていない第三者でも、誤りを見つけたときは Google マップからプロフィールの修正を送れます。ヘルプは「他のユーザーが所有または管理しているビジネス プロフィールの誤りを見つけた場合は、編集を提案できます」と書いており、提案にオーナーの同意は要りません。

ヘルプが提案の条件として挙げているのは「誤りを見つけた場合」だけです。移転前の住所を覚えている常連も、閉店時間を勘違いした来店客も、提案する側から見れば誤りを直しています。悪意の有無で入口が分かれるわけではありません。

経路B: Google 自身による更新

Google がプロフィールを直接更新する道もあります。GBP ヘルプは「ビジネス情報が正確でないという報告を Google が受け取ると、プロフィールが更新されることがあります」とし、その場合は通知が届き、[プロフィールを編集] セクションにアラートが表示されると書いています。

店側の返答が更新に使われる道もあります。Google は確認済みの電話番号あてに、電話・テキスト メッセージ・WhatsApp で自動メッセージを送ることがあり、「こうしたメッセージへの返信としてご提供いただいた情報は、お客様のプロフィールの更新に使用されることがあります」とヘルプに書かれています。この機能は一部の地域・言語・業種でのみ提供されているため、対象外の店舗では起きません。

この経路には、オーナー側で取り消せないものが混ざります。ヘルプは「重要: 「Google による変更」のすべてをビジネス プロフィールで管理できるわけではありません」と明記しています。経路が分かれば必ず自分の手で戻せる、とは考えないでください。

経路C: 自分以外の管理者と一括アップロード

3 つめは社内側です。編集できるのはプロフィールにリンクされた Google アカウントなので、そのアカウントを複数人で使っていれば、別の人の編集が「勝手に変わった」ように見えます。どの管理者が編集したかをプロフィール側の表示から見分ける方法は、この記事が引いた公式ヘルプには書かれていません。外の経路を疑う前に、社内で心当たりを当たるほうが早く済みます。

スプレッドシートでまとめて更新している場合、Google は一括アップロードについて「フィールドが空白の場合: 自動更新が適用されることがあります」と書いています。空欄は「変更しない」ではなく「Google が埋めてよい」と読まれます。逆に、前回と同じ値を入れたフィールドは無視され、承認も破棄もされません。

GBPの情報が勝手に変わる3つの経路: 一般ユーザーの提案・Googleによる更新・管理者と一括アップロードを、誰が変えるか、きっかけ、プロフィール エディタの文字色で見分ける(出典: Google)
情報が変わる3つの経路の見分け方

ユーザーが提案できる項目と、提案できないこと

経路 A を疑うときは、その項目がそもそも提案の対象かどうかを先に見ます。対象外の項目が変わっているなら、経路 B か C です。

提案の対象になる項目

Google マップ側のヘルプは、一般ユーザーの操作を「Google マップでは、場所について記載されていない情報の追加、属性の編集、不正確な属性の報告を行うことができます」と説明しています。提案できるのは次の範囲です。

項目 ユーザーができること
場所の名前 追加・編集・報告
カテゴリ 追加・編集・報告
場所(住所・地図上の位置・施設内の位置) 追加・編集・報告
営業時間 各曜日の時間を追加・編集・報告
電話番号 追加・編集・報告
ウェブサイト 追加・編集・報告
閉業しているか、この場所にない 営業状況にマークを付ける
電気自動車充電用コネクタ 一部の EV 充電スタンドでコネクタの種類を追加・編集
サービスおよび特長 説明文ごとに「正しい」「誤り」「わからない」で回答

この一覧のうち、電気自動車充電用コネクタは EV 充電スタンド向けの項目なので、一般の店舗では対象になりません。またサービスおよび特長の編集提案は、ヘルプが「重要: 場所の属性の編集は、モバイル デバイスでのみ提案できます」と書いているとおり、パソコンからは送れません。属性が書き換わっているなら、送り主はスマートフォンから操作しています。

なお、この属性の変更機能そのものが「一部の国や地域でのみ」提供されています。項目ごとの入力規則(カテゴリを何個まで選べるか、説明文の字数など)は、自分で書くときの話なのでこの記事では扱いません。

大幅な変更が承認されない理由

提案がそのまま反映されるわけではありません。Google マップのヘルプは冒頭で次のように断っています。

重要: ビジネス情報を大幅に変更しようとする編集は承認されない場合があります。こうした編集は、多くの場合不正行為であるか、またはビジネス リスティングを削除しなければならない状況に該当します。

読み取れるのは、変更の幅で扱いが変わるという設計です。営業時間を少しずらす提案と、店名を別の店に入れ替える提案は、同じ提案でも承認されやすさが違います。逆に言えば、実際に通ってしまった書き換えは大幅な変更とは判定されなかったものなので、上書きし直したあとに同じ提案が再び通る余地が残ります。戻して終わりにできる保証はありません。

「閉業」マークだけは扱いが違う

ここまでの項目は値の書き換えですが、営業状況だけは別枠です。プロフィールの値は正しいのに「閉業」と表示される状態がこれで、値の書き換えとは直し方が変わります。

付けられるマークは8種類

Google マップのヘルプは、ユーザーが場所に付けられるマークとして 8 種類を挙げています。臨時休業、閉業、この場所には存在しない、他の場所と重複、不適切・有害・誤解を招く、一般に公開されていない、新しい場所に移転している、営業再開(閉業と表示されている場合)の 8 つです。

このうち「他の場所と重複」と「新しい場所に移転している」は、プロフィールが消えたように見える型です。移転のマークでは、提案者が地図上で正しい所在地を選ぶところまで操作します。移転していない店舗にこのマークが入ると、店側は移転先として指定された別の地点を見に行くことになります。

マークを付ける側の操作手順は、この記事では扱いません。戻す側の操作は同じ画面にあり、臨時休業または閉業のマークが付いた場所には「営業再開」の提案を送れます。

営業時間と営業状況を混同した提案

マークの使い方には条件が付いています——「営業時間に基づいて「営業中」または「閉業」のマークを付けないでください」。閉業マークは、その日その時間に閉まっているかではなく、その場所で営業を続けているかを表す欄です。

この一文が置かれているのは、営業時間と営業状況を取り違えた提案が想定されているからです。定休日に前を通った人が閉まっていたと報告すれば、それは営業状況のマークとして入ります。臨時休業と閉業のどちらを選ぶかは提案者が決めるので、店側はどちらが入ったのかを表示で確かめることになります。

オーナーが上書きすると必ず勝つのか

経路が分かったら上書きします。ただし、オーナーの編集が無条件で通るわけではありません。

編集の入口は Google 検索と Google マップ アプリの 2 つで、一部の機能は検索とマップ、そしてデバイスのオペレーティング システムによって異なる場合があります。この記事が扱うのは、どちらから入るかではなく保存したあとに起きることです。

オーナー確認が済んでいない場合でも、お店やサービスの名前、業種、住所、営業時間、電話番号、ウェブサイトなど一部の情報は編集できます。ただし、ビジネス情報を Google 検索や Google マップなどの Google サービスに表示するには、プロフィールを追加または申請してからオーナー確認を行う必要があります。確認が終わっていないなら、書き換えを追う前にオーナー確認の手順を片づけるほうが先です。

保存した編集は審査に入る

オーナー確認済みのプロフィールへの編集も、ガイドラインに沿っているかを見るために審査されることがあります。かかる時間は冒頭に挙げたとおりで、通常は 10 分ほど、長い場合は最長で 30 日です。

30 日という幅があるので、「上書きしたのに戻っていない」と感じた時点では、まだ判定が出ていない可能性があります。ここで重ねて編集すると、どの操作の結果を見ているのか分からなくなります。

3つのステータスの読み分け

保存後の編集には、次の 3 つのどれかが表示されます。表示を見れば、待つのか、次の手に進むのかが決まります。

ステータス プロフィール上の意味 次にすること
承認済み 更新された情報がビジネス プロフィールに表示される 実際の表示を見て終わり
不承認 変更内容の正確性を Google が確認できない場合に出る 再審査を請求できる場合がある
保留中 審査中。通常 10 分、最長 30 日 重ねて編集せずに待つ

不承認は「ルール違反」とは限りません。ヘルプの書き方は「変更内容の正確性を Google が確認できない場合は、変更が承認されないことがあります」で、正確性を確認できないことが理由に挙がっています。裏取りの材料が足りない場合も不承認になる、と読めます。

なお、Google 側の更新であれば、プロフィール エディタで文字の色が変わります。ヘルプは「青: Google によって変更された情報が表示されます」と書いており、青くなっていない項目は Google の変更ではありません。

一括アップロードで空欄を残さない

複数拠点をスプレッドシートで回している場合は、上書きの前に一括アップロードの側を直します。空欄を残したまま出すと自動更新の対象になり、その場で上書きしても次のアップロードで同じことが起きます。

前回と同じ値を入れた列は無視されるだけで、承認も破棄もされません。値を動かしたい列には、前回と違う値を書く必要があります。

不承認になったら再審査を請求する

不承認が出たら、そこで打ち止めではありません。ただし窓口が地域で分かれており、日本の店舗が使える経路は限られます。

先に確かめるのは自分のアカウントの状態です。Google アカウントまたはビジネス プロフィールが制限されている場合は、コンテンツに関する決定に対して再審査を請求する前に復元する必要があります。オーナー確認が完了していない場合も、プロフィールに関連するコンテンツが Google 上で表示されない可能性があります。

地域で窓口が違う

GBP ヘルプの一覧では、「不承認となったプロフィールの編集に対する再審査を請求する」の行が、英国または EEA のビジネスでは再審査請求ツール、その他の地域では「お問い合わせ」に分かれています。日本の店舗は後者なので、不承認になった編集についてはツールではなくサポートへの問い合わせが入口です。

一方、プロフィールそのものが停止・無効化された場合は、英国・EEA 以外でも再審査請求ツールを使えます。編集の不承認とプロフィールの停止は、ヘルプの一覧でも別々の行として扱われています。停止側の詳しい流れはプロフィールの停止と再審査請求にまとめています。

クチコミの削除判定については、1 回限りの再審査請求という別の経路があります。10 件を超えるプロフィールをまとめて再審査に出す経路も別にあり、どちらもこの記事では扱いません。EEA の事業者向けには裁判外紛争解決機関という追加の選択肢がありますが、日本の店舗は対象外です。

送信前に書類をそろえる

再審査請求で時間を失うのは、たいてい書類の準備です。再審査請求ツールから送る場合、Google は「証拠書類は、再審査請求を送信してから 60 分以内に提出する必要があります」と書いています。日本の店舗がツールを使うのはプロフィールの停止・無効化のほうなので、その経路に入ったら、送信してから探し始めると間に合いません。

ヘルプが例に挙げているのは次の 4 種類です。送信ボタンを押す前に、この順でファイルを開いておきます。

  1. 正式な事業登録証
  2. 営業許可証
  3. 納税証明書
  4. 事業用の公共料金の請求書(電気・電話・ケーブルテレビ・インターネットなど)

提出する書類に記載されたビジネスの名前と住所が、再審査を請求するプロフィールと一致していることを確かめてください。移転直後で請求書の住所が古いままなら、この一致の条件に引っかかります。

送ったあとは待ちます。審査と決定には最長で 5 営業日かかり、ヘルプは「決定が出る前に、同じ問題について複数の再審査請求を送信しないでください」と書いています。審査中に同じビジネスの新しいプロフィールを作るのも避けます。ステータスは再審査請求ツールで確認できます。

GBPの情報が勝手に変わる3つの経路: 編集を保存してから決定が出るまでの流れ(審査は通常10分・最長30日、再審査請求の決定は最長5営業日、証拠書類は送信から60分以内)(出典: Google)
保存から決定までの時間軸

変更に気づくための切り分けチェックリスト

表示がおかしいと気づいたときに上から順に見る項目は、次のとおりです。

  1. プロフィール エディタの文字色を見る — 青ければ Google による変更(経路 B)です。黒または白なら Google は触っていません。
  2. 通知とアラートを見る — Google による変更があった場合はページ上部に通知が出て、[プロフィールを編集] セクションにアラートが表示されます。これが無ければ経路 B の線は消えます。
  3. 編集のステータスを見る — 自分の上書きが保留中なら、まだ判定が出ていないだけです。不承認なら、再審査を請求できる場合があるので再審査請求の経路へ移ります。
  4. 社内の操作と直近の一括アップロードを見る — 同じアカウントを使っている人の編集か、空欄のまま出した列がないかを確かめます(経路 C)。

1 と 2 が両方とも空振りで、変わった項目が上の提案の対象一覧に入っているなら、残るのは経路 A です。電話ボタンのように表示そのものが消えているときは、書き換えではなく表示の制限を扱った電話ボタンが消えたときの確認が近い話になります。

点検の間隔について公式の目安が見当たらないぶん、DigitalGOAT編集部は自社の無料でできる MEO のチェックリストで、月 1 回インサイトを確認する運用を勧めています。プロフィールの表示を見るのも同じ周期に寄せれば、別々に思い出さずに済みます。

手で回し続けるかどうかの線引きにも、DigitalGOAT編集部の推奨があります。投稿・返信が 2 週間以上止まっている、管理している媒体が 3 つ以上あって更新漏れが出ている、順位や効果を数字で見たい、複数店舗を運営している——このどれかに当てはまったら、道具や外部サービスの検討に移る段階です。