
Googleビジネスプロフィール(GBP)が止まったとき、最初に決めるのは原因ではありません。何が止まっているかです。プロフィールだけが停止されているのか、Google アカウントごと制限されているのか。ここで申し立ての入口が変わります。
公式ヘルプは、ガイドラインに従っていないプロフィールは停止または無効化される場合がある、としています(停止または無効化されたプロフィールを修正する)。回復が妥当と考えるなら、再審査を請求できます。この記事はその手前の切り分けから始めます。
再審査請求を送る前に確かめること
クチコミ・写真・投稿だけが通らないプロフィール単位の制限は、停止とは別の話なのでここでは扱いません。オーナー権限の問題(他人がオーナーになっている・長期間アクセスせず権限が取り消された)も同じく別の話です。
止まっている単位で入口が変わる
| 止まっている単位 | 症状 | 申し立ての入口 |
|---|---|---|
| プロフィール | そのプロフィールだけに管理措置が取られている | 再審査請求ツール |
| Google アカウント | 管理する全プロフィールが停止し、新規作成も他プロフィールの登録もできない | [マイ アカウント]ページで理由を入力して送信 |
| 他の Google サービスのアカウント | 作成に使ったアカウントが別サービスで制限を受けている | 先にそのサービス側のアカウントを復元する |

ヘルプは、アカウントの制限が解除されたあとにプロフィールの再審査を請求する、という順で書いています。
代理店に運用を委託している場合は、委託先のアカウントが制限されれば配下の店舗もまとめて止まります。DigitalGOAT編集部の推奨は、委託先を選ぶときに解約時の GBP オーナー権限が自店舗に残るかを確かめておくことです(「失敗しない選び方チェックリスト」の項目のひとつ)。
公式ヘルプが挙げる原因の類型
停止と無効化の理由はポリシーの概要と上記の修正ページに散らばっています。自分のプロフィールがどれに当たるかを先に決めます。
| 類型 | 公式ヘルプの記述 | 結果 |
|---|---|---|
| 利用資格 | 営業時間内に顧客と直接対面でやり取りする必要があるお店やサービスが対象 | 所有権や代表権を持たない場所での継続的なサービス・教室・集会、見込み顧客の発掘代理店・企業、オンラインのみ、不動産賃貸・販売物件は対象外 |
| ビジネスが存在しない | 指定したビジネス拠点にビジネスが存在しないと判断された場合 | プロフィールは無効になります |
| 私書箱が住所として設定されている | 私書箱をビジネスの住所として設定している場合 | プロフィールが停止されます |
| 身元の変更 | ビジネス名やカテゴリの大幅な変更など、一部の種類の編集 | Google によって拒否されることがあります |
| ビジネス拠点の変更 | 物理的な実態が顧客体験に直結している場合(飲食店、宿泊施設、エンターテイメント施設など)のビジネス拠点の編集 | 拒否されます |
| アカウント単位の制限 | ポリシーに繰り返し違反している場合 | ビジネス プロフィールへのアクセスが制限されることがあります |
移転・住所修正は「直す」ではなく「立て直す」
- 移転した: 既存のプロフィールに閉業マークを付け、新しい拠点で作り直す
- 住所の誤りを直したいだけ(拠点は同じ): Google に問い合わせる
- その場所で別のビジネスが営業している/内容が大幅に変わった: 以前のビジネスに閉業マークを付ける。名前は変更しない
編集で押し切ろうとすると「身元の変更」として拒否される側に回ります。
ガイドラインの「名前」は見落とされやすい
チェックリストの最初の行は「ガイドラインに従っているか」ですが、どこを見るのかまで書かれていないと確認になりません。 停止の類型に「身元の変更」があるとおり、ガイドラインはビジネス名について「不可」「可能」の対まで挙げています。
同じガイドラインは、ビジネスの説明欄にどのような種類であってもリンクを含められないことと、「すべて 50% 引き」のような販促の過度な強調を置けないことも書いています。名前だけが点検の対象ではありません。
原則はひとつです。ガイドラインは「正確なビジネス名(店舗、ウェブサイト、ビジネスレターなどで一貫して使用し、顧客に認知されている、実際のビジネスの名称)を使用します」としています。店舗・ウェブサイト・ビジネスレターで実際に使っている表記に戻す、という線です。
名前に追加できない情報として、ヘルプは11 区分を「不可」「可能」の対で挙げています。DigitalGOAT編集部の見立てでは、日本の店舗が引っかかりやすいのは下の表の 6 つです。
| 追加できない情報 | 不可の例 | 可能の例 |
|---|---|---|
| サービスまたは商品の情報 | 「自動車整備のエキスパート、グー」 | 「グー」 |
| 所在地情報の表示 | 「神田駅前のABC スポーツジム」 | 「ABC スポーツジム神田」 |
| 出店先情報 | 「アップルストア(ららぽーと ショッピング センター店)」 | 「アップルストア」 |
| マーケティング タグライン | 「ABC 銀行、日本一便利な銀行」 | 「ABC 銀行」 |
| 営業時間の情報 | 「ベストピザ 24 時間営業」 | 「ベストピザ」 |
| 2 言語表記・翻字の繰り返し(看板がそう表示されていても不可) | 「Kafiex / カフィエクス」 | 「Kafiex」 |
残りの 5 区分は次のとおりです。
- 店舗コード(「UPS ストア - 2872」)
- 商標または登録商標のマーク(「バーガーキング®」)
- すべて大文字の単語(「SUBWAY」)
- 電話番号またはウェブサイトの URL(「エアポート ダイレクト 0120-123-1111」)
- 特殊文字と、社名と直接関係のない法的用語(「%$@/"」「LLC、LTD、INC」) 特殊文字と法的用語だけは例外があり、看板・名刺・請求書などでその表記を使っていると証明できるものを提出すれば含められます。
SEO を意識して地域名やサービス名を足した店名は、この一覧の先頭 2 区分にそのまま当たります。「神田駅前のABC スポーツジム」は不可で、「ABC スポーツジム神田」なら可能——地域名を消せということではなく、名称の一部として実際に使っているかどうかが線です。ただし複数の拠点を持つ場合は追加の規則があり、同一国内の拠点は場所に関わらず同じ名称にします(一部の店だけ地名を足すのは不可)。この規則には例外が 2 つあります。サブブランドや小売と卸売のように事業の種類が違う場合と、一部の店舗が看板・ウェブサイト・事務用品で一貫して別の名称を使っている場合は、別の名称が認められます。申し立ての前に、店舗の看板・ウェブサイト・ビジネスレター・名刺を並べて、プロフィールの名前にそのどれにも無い文字が入っていないかを見ます。
住所側にも同じページに線があります。要点はその住所で実際にサービスを提供し、看板が出ているかです。遠隔地の私書箱・バーチャル オフィスと、わかりやすい看板が常設されていないか、その場所で営業時間中に顧客対応できるスタッフが常駐していないコワーキング スペースはここで外れます。ヘルプは「Google に住所を掲載する場合、その住所に、ビジネスの名称の掲示を常設する必要があります」とも書いています。住所欄そのものにも線があり、サービス名・自社の URL といった実際の住所以外の情報は入れられません。近隣のランドマークや交差点名は、正式な住所だけでは所在地を特定できない場合に限り入れられます。顧客の所在地に出向く非店舗型のビジネスは、逆に住所を非表示にする必要があります。条件の一覧はローカル検索結果の掲載順位を決める要素にまとめました。
申し立て前チェックリスト
- プロフィールがローカル ビジネス情報のガイドラインに従っていることを確認した(名前と住所は上の節で確かめる)
- カテゴリを中核事業に当てはまるものだけに絞った(ガイドラインは「できるだけ少なく選択します」としている)
- 住所が私書箱ではない
- 店名と住所(NAP のうち Name と Address)が、証拠書類のビジネスの名前と住所と一致している
- Google アカウントが無効・停止・削除されていない
- ビジネスのオーナー確認が済んでいる(オーナー確認の手順)。オーナー確認が済んでいないプロフィールに追加されたコンテンツは、不承認となる場合があります
- 再審査請求の審査中に、同じビジネスの新しいビジネス プロフィールを作成していない
- 同じ拠点のプロフィールが二重に立っていない(アカウントが別でも不可)
再審査請求ツールで申し立てる手順
証拠書類を先にそろえる
公式ヘルプは、証拠書類のフォームは開いてから 60 分以内に送信する必要があるとしています。 60 分は書類を探す時間ではなく、アップロードする時間です。
裏付けに役立つ書類として挙がっているのは次の 4 種類です。
- 正式な事業登録証
- 営業許可証
- 納税証明書
- 事業用の公共料金の請求書(電力・電話・水・インターネットなど)
書類の側の条件はひとつです。書類に書かれたビジネスの名前と住所が、申し立てるプロフィールと一致していること。屋号と登記名が違う場合は、フォームを開く前にどちらで出すかを確定させます。
再審査請求を送信する
- 再審査請求ツールを開きます。
- 再審査を請求するプロフィールに関連付けられた Google アカウントにログインしている場合は、[確認] を選択します。
- 再審査を請求するビジネス プロフィール、次に [続行] を選択します。
- 制限されたプロフィール、管理措置が取られた理由、違反したポリシーへのリンクを確かめます。
- 右下の [再審査請求を送信] を選択します。
- [送信] を選択します。

結果はメールで届きます。証拠書類の提出そのものは省略できますが、ヘルプは論拠を強化するため提出を強くすすめています。
送信したあとに[証拠を追加]を選び、ビジネスの詳細を確認して、[書類をアップロード]→[ファイルを選択]と進みます。ここでプロフィールの復元が必要と考える理由を詳しく書き、送信します。

10 件を超えるプロフィールをまとめて申し立てるとき
送信後に「10 件を超えるプロフィールに対して再審査請求を行うか」と聞かれたら、[はい]を選びます。各プロフィールの証拠書類とビジネス プロフィール ID を書いたスプレッドシートを添付します。
まとめて出しても、ステータスが変わるのはツールで選んだプロフィールだけです。結果のメールも、選んだプロフィールについての 1 通だけです。再審査請求に含めたほかのプロフィールは、ツール上のステータスが更新されません。
結果の確認と、却下されたときの追加審査
ステータスの 5 種類
対象のプロフィールを選ぶと右側にステータスが出ます。送信済み・承認済み・不承認・再審査を請求できません・再審査請求可能の 5 種類です。
審査にかかる日数は書かれていません。 公式ヘルプ「停止または無効化されたプロフィールを修正する」で期間が示されているのは、証拠書類の 60 分以内だけです。
却下されたら追加審査をリクエストする
まず再審査請求ツールの結果を待ちます。追加審査のリクエストは、その申し立てが却下されてからでないと送れません。
フォームの必須項目は次のとおりです。最初の 2 つは「はい/いいえ」の確認で、ここで却下済みであることを申告します。
- 再審査請求ツールを使って再審査請求を送りましたか?
- 再審査請求が却下されましたか?
- プロフィールが停止または無効になった日付
- Google ビジネス プロフィールの管理に使用している正式なメールアドレス
- ビジネス プロフィール ID
添付は 2 種類そろえます。プロフィールと一致するビジネス名と住所が記載された事業登録証・営業許可証・納税証明書などの書類と、同じ会社名と住所の公共料金の請求書です。機密事項を含むビジネス文書は送りません。
ここが最初の申し立てと違う点です。元の再審査請求で出していなかった証拠を、追加で足せます。 却下は同じ材料の再提出を求めているのではなく、足りなかった材料を出す機会と読みます。
送信しても確認メールは届きません。フォームの最後には、回復が必要と考える理由と、リスティングについて対応した内容を書く自由記述欄があります。審査が終わり次第、Google チームから連絡が来ます。
回復したあとにやること
回復したプロフィールで不具合が残る場合は、Google ビジネス プロフィール ヘルプから問い合わせます。削除されていた場合も、オーナーと管理者は回復を求められます。プロフィールが戻れば、オーナーと管理者の権限も一緒に戻ります。
投稿を再開できるのは復元されたあとです。停止中のプロフィールには投稿できないので、復旧を待たずに書き溜めても表には出ません。
停止が解けた直後は、止まっていた期間ぶん投稿とクチコミ返信が空いています。ここに、DigitalGOAT編集部の目安である「投稿・返信が2週間以上停止していた」「複数店舗を運営している」のどちらかが重なることがあります。そこが運用体制を切り替える検討のタイミングです。オーナー権限を自店舗に残したまま、日々の運用を誰に任せるかを決める段階に、あなたは立っています。