自分の店舗なのに、Googleビジネスプロフィール(GBP)を自分のアカウントから編集できない。前の担当者、退職した従業員、以前の代行会社——誰かがオーナー確認を先に済ませていると、この状態になります。

Google はこの状態のための経路を用意していて、待ち時間も決めています。オーナー権限のリクエストのヘルプは、リクエストを送ると「現在のプロフィールのオーナーにメールで通知が届き、そのオーナーは 3 日以内に返信する必要があります」と書いています。

決まっているのはそこまでです。3 日が過ぎたあとに何が起きるかには、二重の条件が付きます。この記事では、送る前の切り分け・送り方・3 日後の 3 つの分岐・取り戻した直後の 7 日間を、公式ヘルプが決めている範囲だけで並べます。

オーナー権限をリクエストする前に確かめる3つの状況

先に決めるのは手順ではなく、自分がどの状況にいるかです。画面に何が見えているかで、開くページが変わります。

画面で見えているもの 考えられる状況 最初に開くページ
店舗は表示されるが、オーナーかどうかを尋ねるボタンが出ない すでに自分がオーナーになっている可能性がある 心当たりのある Google アカウントでビジネス プロフィールを開く
店舗を選ぶと「他のユーザーが管理している可能性があります」と出る 確認済みのプロフィールを他人が持っている オーナー権限のリクエスト(この記事の本筋)
店舗が検索にもマップにも出てこない 重複としてマークされている可能性がある 重複と所有権のヘルプ

ボタンが出ないときは、すでに自分がオーナーかもしれない

ヘルプが最初に置いている注意書きがこれです。「ビジネス プロフィールを検索しても [ビジネス オーナーですか?] または [このビジネスのオーナーですか?] ボタンが表示されない場合は、すでにお客様がオーナーである可能性があります」。

店舗用と個人用で Google アカウントを使い分けている店で起こりうる状態です。リクエストを送るより、心当たりのあるアカウントで順にログインし直すほうが早く終わります。

他人が確認済みなら、リクエストの経路に入る

business.google.com/add で店舗名と住所を入れて一覧から選ぶと、「[このビジネス プロフィールは他のユーザーが管理している可能性があります] というメッセージが表示されます」。この表示が出た場合が、オーナー権限のリクエストの対象です。

検索にもマップにも出ないなら、重複を疑う

重複と所有権のヘルプは「プロフィールが重複と見なされた場合、Google 検索やマップに表示されなくなります」と書いています。重複と見なされる理由として挙がっているのは、既存の確認済みプロフィール・同じ住所・異なるサービスの 3 つです。この症状は所有権の争いではないので、リクエストを送っても解けません。記事の後半で別に扱います。

オーナー権限のリクエストを送る

送り先は店舗の型で 3 通りに分かれます。手順に入る前に、どれに当たるかを決めます。

実店舗・ハイブリッドはビジネス プロフィールの追加画面から

ヘルプが画面つきの手順を書いているのは「実店舗のビジネスまたはハイブリッド ビジネスに対して」です。順序は次のとおりです。

  1. business.google.com/add を開く
  2. ビジネスの名前と住所を入力する
  3. 一覧から自分のビジネスを選ぶ
  4. [アクセス権限をリクエスト] を選ぶ
  5. フォームに必要事項を入力する
  6. [送信] を選ぶ

4 の時点で条件が 1 つ入ります。ヘルプは「あなたにそのビジネスの管理が許可されている場合は、そのプロフィールの現在のオーナーにオーナー権限をリクエストできます」と、リクエストできる相手を条件付きで書いています。

非店舗型は問い合わせ窓口に回る

客先に出向いてサービスを提供し、店舗もオフィスも持たない型では、上の手順を使いません。ヘルプは「客先に出向いてサービスを提供し、実店舗やオフィスを持たない非店舗型ビジネスのオーナー権限をリクエストするには、Google までお問い合わせください」と書き、フォームに入れる文字列まで指定しています。[お問い合わせの内容をご記入ください] に「リスティングのオーナー権限の譲渡」と入力し、問題の説明として [リスティングのオーナー権限を譲渡する] を選ぶ、という指定です。ここは自分の言葉に置き換えず、そのまま入れます。

一括確認済みのアカウントはスプレッドシートでも送れる

多拠点を一括で確認しているなら、経路がもう 1 つあります。「一括確認済みアカウントをお持ちの場合は、一括アップロード用スプレッドシートを使用して、既存のビジネス プロフィールのオーナー権限をリクエストすることもできます」。拠点ごとに個別に送り始める前に、この経路が使える状態かを見ておきます。

送ってから3日後に起きる3つの分岐

送信直後に届くのは確認メールです。同時に現在のオーナーへ通知が飛び、返信の期限は 3 日です。ステータスはビジネス プロフィールにログインするか、確認メールのリンクから見られます。

分岐 届くもの 次にできる操作 注意
承認された リクエスト承認メール プロフィールの管理 直後の 7 日間はエラーが出る操作がある
拒否された リクエスト拒否のメール 編集の提案、決定への再審査請求 大幅な変更を伴う提案は承認されない場合がある
3 日返信がない 現オーナーからの応答なし オーナー申請(可能な場合) 申請は常にできるとは限らない

承認された場合

承認されると承認メールが届き、その時点からプロフィールを管理できます。ヘルプはこの承認ケースから、新しいオーナーと管理者の制限のページへリンクを張っています。取り戻した直後には触れない操作があるので、次の節で扱います。

拒否された場合

拒否されても経路は 2 つ残ります。「リクエスト拒否のメールが届きますが、プロフィールの編集を提案することはできます。また、決定に対して再審査を請求することもできます」。

ただし編集の提案を所有権の代わりに読むと外します。マップの編集提案のヘルプは冒頭で「ビジネス情報を大幅に変更しようとする編集は承認されない場合があります」と断り、提案は審査に回るので、反映までしばらく時間がかかることがあります。編集の提案は情報の誤りを直す経路です。この 2 ページのどちらにも、提案が通ればオーナー権限が戻るという記述はありません。属性ごとの提案手順は本記事の対象外です。

3日過ぎても返信がない場合

無返信は自動移管ではありません。ヘルプの書き方は二重に条件付きです。まず「3 日が経過しても返信がない場合は、お客様が対象プロフィールのオーナー申請をするという選択が可能な場合があります」。そのうえで「プロフィールの申請は、常にできるわけではありません」と念を押しています。

申請できる状態なら、確認メールを開いて [リクエストを表示] [確認] と進み、画面の手順でビジネスを確認します。ビジネス プロフィールにログインして [申請] または [確認] のボタンを探す経路もあります。ここから先は通常のオーナー確認と同じ工程なので、動画や書類の準備はオーナー確認の記事にまとめています。

Googleビジネスプロフィールのオーナー権限リクエスト: リクエスト送信、確認メールと現オーナーへの通知、返信期限の3日、承認、直後の7日間の制限、の5段で進み、3日の時点で拒否と無返信に分岐する(出典: Google)
リクエスト送信から3日後の分岐まで

取り戻した直後の7日間にできない操作

取り戻した瞬間に全部が触れるわけではありません。オーナーと管理者のヘルプは「プロフィールのオーナーまたは管理者になった場合、プロフィールの一部の機能は、管理できるようになるまで 7 日ほどお待ちいただく必要があります」と書き、この期間に行うとエラーが出る操作を 3 つ挙げています。

  • プロフィールの削除または削除の取り消し
  • 他のオーナーまたは管理者の削除
  • メインのオーナー権限の譲渡

前のオーナーを外す作業は 2 番目に当たります。取り戻した初日に前の担当者を削除して締め出す、という動きは取れません。削除には別の条件もあって、「他のオーナーと管理者を削除できるのは、オーナーだけです」。管理者として招かれただけなら、削除の操作そのものが出ません。

メインのオーナーの扱いも同じ期間の制限を受けます。「ビジネス プロフィールには複数のオーナーを設定できますが、メインのオーナーとして設定できるのは 1 人のみです」。メインのオーナー権限の譲渡のヘルプは「メインのオーナー権限を譲渡できるのは、メインのオーナーだけです」と書いています。代行会社から引き継ぐ場面では、相手がメインのオーナーのままだと自分の側では動かせない、という順序になります。相手に譲渡してもらう先が誰もいないときは、「プロフィールに関連付けられているユーザーが他にいない場合は、オーナーや管理者を追加できます」という案内が出ています。順序が固定されているのはここです。「メインのオーナーは、他のユーザーにメインのオーナー権限を譲渡するまで、自分自身を削除することはできません」。代行会社に「うちのプロフィールから抜けてください」と頼んでも、相手がメインのオーナーなら、先に譲渡が済まないと抜けられません。

離脱にも副作用があります。「新たにオーナーまたは管理者になってから 7 日以内に自分自身のアカウントを削除すると、プロフィールから削除されます」。引き継ぎの途中で役割を外れると、戻すには追加し直す手間がかかります。なお、ユーザーの追加や役割の変更そのものの操作手順は本記事の対象外です。

リクエストで解けない問題:重複と同一住所

「他人がオーナーになっている」ように見える症状の一部は、所有権の話ではありません。重複と所有権のヘルプは、2 つのビジネスが誤って 1 つに統合された場合の窓口を分けています。この場合は「重複ステータスの再審査請求についてサポートにお問い合わせ」に回り、しかも「重複ステータスについて再審査を請求するには、2 つのビジネスが有効かつ明確に異なるものである必要があります」。同じ拠点で両方が営業しているときは、「両方のビジネスが明確に示された常設看板の存在を証明することが求められます」。

同じ住所に別のビジネスがあるだけなら、それぞれのプロフィールを持てます。条件は「名前が異なり、看板の違いがはっきりと確認できる、明確に異なるビジネス」であることと、登録資格があることの 2 つです。

重複を作ったのが自分なら、統合を頼む前に確かめることがあります。「誤って重複するプロフィールを作成した場合は、オーナー確認済みのリスティングに影響を与えることなく削除できます」。ただし「重複するプロフィールを削除すると、すべてのコンテンツとリンクされた管理者が削除される」ので、消す側を取り違えないようにします。同じ店のプロフィールがマップ上に 2 つ以上あるなら、統合の依頼になります。「すべての統合リクエストは審査の対象となります」。統合が通るには「プロフィールが同一のビジネスを代表し、同一の情報を含んでいる必要があります」。店名や住所がずれたまま出しても要件を満たしません。ここで失うものもあります。「2 つのプロフィールを統合すると、クチコミは統合されますが、クチコミへの返信は失われる可能性があります」。返信文を資産として運用している店では、統合の前に手元に控えておく判断が要ります。掲載情報のずれを定期的にそろえる手順はNAP監査の記事にあります。

まとめ:リクエストを送る前に記録を残す

公式ヘルプが決めているのは、送り先(店舗の型で 3 通り)・返信の期限(3 日)・その後の 3 分岐・取り戻した直後の 7 日間の制限です。決めていないのは、承認と拒否の判断基準と、無返信のあとに申請が可能になる条件です。判断基準が公開されていない以上、待ちの管理は送る側に残ります。

DigitalGOAT編集部の推奨は、リクエストを送った時点で次の 4 項目を残しておくことです。

  • 送信日
  • 3 日後の日付(現オーナーの返信期限)
  • 確認メールが届いたかどうか
  • 分岐の結果(承認・拒否・無返信)

期限の日付を先に書いておくと、返事が来ない状態を「拒否された」と読み違えずに済みます。代行会社を選ぶときの確認事項としてDigitalGOAT編集部が挙げているのも、解約時に GBP のオーナー権限が自店舗に残るかどうかです。

取り戻したあとに残るのは、誰がメインのオーナーで、誰が管理者かを決める作業です。7 日間の制限が明ける前に、前の担当者や代行会社をどの役割で残すのかを決める段階に入ります。