「NAP(名称・住所・電話番号)の一貫性はもう古い」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。実際、Reddit のローカルSEOコミュニティに投稿された議論では「NAPの一貫性は時代遅れではないが、その重要性は以前より低下した」という見方が共有されています。ただし同じ議論の中で、NAPが今も効く場面は具体的に名指しされています。本記事では、その「効く場面」に絞って四半期ごとの監査手順を整理します。
NAPの重要度は下がった、しかしゼロではない
Reddit の r/localseo での議論では、ランキングに悪影響を与えるのはコールトラッキング番号の存在そのものではなく、エコシステム全体でのNAP不整合であると指摘されています。つまり「番号を使い分けること」自体が問題なのではなく、「Google・ディレクトリ・自社サイトの間で情報がバラバラになること」が問題だという整理です。
同じ投稿では、NAPの一貫性が最も重要になる場面として「データがアグリゲーターや主要ディレクトリに流れ込む場面」が挙げられています。ここで不正確なデータが混じると、重複または矛盾するエンティティ(同じ店舗が別の店舗として認識されてしまう状態)を作り出すリスクがあるとされています。
別の投稿でも、この見方は補強されています。別スレッドの実務者の報告によれば、地域検索で上位表示できない実際の主な原因は資金力の差ではなく、Google・ディレクトリ・Facebookなど媒体間で事業情報(電話番号や住所の表記など)が一致していないことだとされています。古い電話番号やわずかに異なる住所表記といった小さな不一致でも、多くの人が思う以上に地域検索の順位に悪影響を与えると報告されています。
これらを重ねると、NAPの一貫性チェックは「全体的な優先度としては下がったが、媒体間データ連携という特定の局面では今も効く」という整理ができます。仕組み上、アグリゲーターや主要ディレクトリが情報を集約する際に表記ゆれがあると、同一店舗と認識されずエンティティが分裂する可能性が高いと考えられます。監査の労力を全項目に均等に割くより、この「データが合流する場所」を重点的に見る方が効率的です。
四半期監査で何を見るか
Search Engine Journal の記事では、NAPや営業時間、サービスカテゴリなどのビジネス情報の一貫性は四半期ごとに監査すべきだとされています。以下は、この指摘と上記の「データが効く場面」を踏まえた実務手順です。
- Googleビジネスプロフィールの管理画面で基本情報を確認する。「情報」タブを開き、店舗名・住所・電話番号・営業時間・カテゴリを表示させ、直近3ヶ月で変更した記憶がある項目(移転、電話番号変更、営業時間変更など)を洗い出す
- 自社サイトのフッターや店舗ページに載っている住所・電話番号の表記を、GBPの表記と1文字単位で突き合わせる。「丁目」「番地」の有無、電話番号のハイフンの有無など、意味は同じでも表記が異なるものは不一致として扱う
- 主要ディレクトリ(Yahoo!ロコ、Facebookページ、業種特化のポータルサイトなど、自社が登録している先)を一つずつ開き、同じ突き合わせを行う。素材で指摘されているのは「Google・ディレクトリ・Facebookなど媒体間の不一致」なので、登録している媒体を漏れなく列挙してから作業する
- コールトラッキング番号を使っている場合は、それが不整合の原因になっていないかを確認する。番号自体の使用は問題視されておらず、Google側の表記とディレクトリ側の表記が食い違っていないかが論点になる
- 不一致が見つかった箇所は、どの媒体が「正」の情報を反映しているかを決めてから修正する。GBP側から先に直すか、サイト側から先に直すかは素材からは判断できないため、ここは自社の運用ルールに合わせて統一する
監査と合わせて見ておきたい点
ランキング低下の要因は、NAP不整合だけではありません。別のReddit投稿では、地元企業のランキング低下の主な理由として、事業所住所の非公開、顧客レビューの不足、サイト速度の低下、コンテンツの薄さ、競合分析の不足の5つが挙げられています。同じ投稿では、実在する事業所住所を隠している事業者はランキングで上位表示されにくくなっているとも報告されています。四半期監査でNAPを見るついでに、住所が正しく公開されているか、レビュー対応が滞っていないかも合わせて確認すると効率的です。
まとめ
NAPの一貫性は、以前ほど万能の順位改善策ではありません。しかし素材で示されているとおり、アグリゲーターやディレクトリにデータが流れ込む場面では、表記の不一致が重複・矛盾したエンティティを生むリスクが今も残ります。四半期に一度、GBPの基本情報・自社サイト・主要ディレクトリの表記を突き合わせ、不一致を見つけたら「正」の情報源を決めて統一する。この作業自体は地味ですが、素材から確認できる範囲では、労力に見合う場面だと言えます。それ以上の効果(順位への具体的な影響度など)は、今回の素材からは判断できません。