グリッドレポートと手動検索がずれるのはなぜか
MEO対策のランクトラッキングツールで「グリッドレポート」を使い、店舗周辺の複数地点での検索順位を確認している方は多いと思います。ここで見落とされがちなのが、ツールが示す順位と、実際にその場所でスマートフォンを使って検索したときの順位は、しばしば一致しないという点です。
海外のある投稿者は、グリッドレポートが実行された時点でのランキングを確認したうえで、レポート上の各地点を実際に車で移動しながら手動で検索するという検証を行っています。その結果、手動検索の結果はグリッドレポートのランキングとしばしば大きくずれていたと報告されています。この投稿はあくまで一人の検証事例であり、すべてのツール・すべての業種で同様のずれが起きると一般化はできませんが、Googleのローカル検索の仕組みを踏まえると、起こり得る現象として理解できます。
Googleのローカル検索は「同じ場所」でも同じ結果を返さない
Googleのローカル検索結果は、検索する正確な位置情報、使用デバイス、検索履歴、検索する時間帯、そしてパーソナライゼーションによって変化します。さらに、位置情報がわずか数フィートずれただけでも結果に違いが生じることがあるとされています。デバイスの種類やブラウザ、そのデバイス自体の検索履歴、接続しているIPの履歴も、表示される結果に影響します。
つまりランクトラッキングツールが「地点A」として計測している座標と、実際にその場所に立った人のスマートフォンが認識する位置情報は、厳密には同一ではありません。加えて検索する人のブラウザ履歴やIPの履歴といった、ツール側では再現しようがない要素も結果に絡んできます。手動での検索がグリッドレポートのランキングと完全には一致しないのは、こうした仕組み上の理由によるものと考えられます。
だから「今日3位、明日5位」に一喜一憂しない
ここから店舗運用者が持ち帰るべき判断基準は明確です。ランクトラッキングツールの結果は、個々の地点での正確な順位としてではなく、時間経過に伴う傾向を追跡するために使う、という読み方です。どのランクトラッキングツールも100%正確ではなく、ランキングについてのおおまかな目安を提供するにとどまるという前提に立てば、日々の細かい順位の上下に振り回される必要はなくなります。
実務では、次のような読み方が現実的です。
- 特定の1地点・1日の順位を「事実」として社内報告や広告で使わない
- 週単位・月単位でグリッド全体の平均的な傾向(上がっているか下がっているか)を見る
- 大きな変動が出たら、まず自分のスマートフォンで現地を含む複数地点から手動検索し、ツールの数値と体感のずれ幅を確認する
- ずれ幅を把握したうえで、ツールの数値は「傾向を測る物差し」として継続的に使う
特に3の手動確認は、投稿者が行った検証と同じ考え方です。ツールの数値だけで一喜一憂する前に、実際にその場所でどう見えているかを自分の目で確かめる習慣を持つことが、数値に対する適切な距離感につながります。
まとめ
グリッドレポートと手動検索の順位がずれるのは、ツールの不具合というより、Googleのローカル検索が位置情報・デバイス・履歴・時間帯といった複数の要素で変化する仕組みそのものに起因します。ランクトラッキングツールの数値は「正確な順位」ではなく「傾向」として読み、日々の細かな変動よりも週単位・月単位の推移に注目する運用が実務的です。