AI Overviews が検索のどれくらいに出るかは、誰の・いつの・どこの検索を数えたかで別の数字になります。Google 公式の発表で分かるのは、AI Overviews が 2024 年 5 月に米国で始まり、2024 年 8 月に日本を含む 6 か国へ、2024 年 10 月に 100 を超える国と地域へ広がり、2025 年 3 月に AI モードが実験として加わった、という時系列です。表示率を実測した Pew Research Center の調査(米国成人 900 人)では、米国の成人 900 人が 2025 年 3 月に行った Google 検索のうち AI 要約が出たのは 18% でした。この記事は、公式の時系列を先に固定し、調査の数字を測定対象・測定時期・測定国の条件つきで読み、日本の店舗運営者が明日点検する項目まで落とします。

AI Overviewsはいつ・どこまで広がったか(Google公式の時系列)

発表日 発表内容(Google 公式)
2024年5月14日 AI Overviews を米国の全員へ展開開始。年末までに 10 億人以上に届ける見込み
2024年8月15日 英国・インド・日本・インドネシア・メキシコ・ブラジルの 6 か国へ拡大。各国の現地語に対応。数週間かけて段階的に展開
2024年10月28日 100 を超える国と地域へ拡大。毎月 10 億人超が利用。日本語を含む対応言語をどの提供国でも選べる
2025年3月5日 米国で Gemini 2.0 を導入し特定のクエリでより頻繁に表示。ティーンも利用可・サインイン不要。AI モードを Labs の実験として導入

日本での提供は2024年8月の6か国拡大から

2024 年 8 月 15 日の発表は、米国と世界各地の Search Labs での広範なテストと良好なフィードバックを経て、AI Overviews を新たに英国・インド・日本・インドネシア・メキシコ・ブラジルの 6 か国に、各国の現地語への対応とともに提供すると書いています。展開は検索の情報品質の高い基準を保つことに重点を置き、数週間かけて段階的に行うとも書いています。2024 年 10 月 28 日の発表では、AI Overviews は 100 を超える国と地域で展開を始め、毎月 10 億人を超える世界のユーザーを持つことになるとし、提供国にいれば日本語を含む対応言語のどれでも AI Overviews を受け取れるようになりました。

AIモードは2025年3月にLabsの実験として始まった

2025 年 3 月 5 日の発表は、AI Overviews が 10 億人以上に使われているとしたうえで、より難しい質問を助けるために米国の AI Overviews に Gemini 2.0 を導入したと書いています。コーディング・高度な数学・マルチモーダルのクエリから始め、これらの種類のクエリでは AI Overviews をより頻繁に表示します。ティーンも AI Overviews を使えるようになり、利用にサインインは不要になりました。同じ発表で Labs の初期の実験として AI モードを導入し、Google One AI Premium の加入者を最初に試す人として招待し始めています。AI モードは有用性と品質に高い確信が持てない場合には、回答がウェブ検索結果の一覧になります。query fan-out などの仕組みの解説は「AIO対策は不要?」が担当します。AI モードの日本語提供の時期は、この記事が引いた 4 本の発表には書かれていません。

表示率の数字は「誰の・いつの・どこの検索」で変わる

この分析は、閲覧行動の記録に同意した調査パネルの会員である米国の成人 900 人のウェブ閲覧データを使い、各回答者について、2025 年 3 月 1 日〜31 日に記録対象の端末で訪れたすべての URL の一覧を受け取っています。検索結果は 2025 年 4 月 7 日〜17 日に収集され、AI 要約は時間とともに変わりうるもので、結果は収集時点の見え方を反映しています。データセットは 68,879 件の固有の Google 検索を含み、そのうち 12,593 件が AI 要約を表示しました。他の検索エンジンで AI 要約を識別する技術的な制約のため、分析は Google 検索だけです。

Pewの調査ではAI要約が出た検索は18%(米国・2025年3月)

この調査の全 Google 検索のうち 18% が、検索結果の一部として AI 要約を生成し、表示率は検索の型で違い、1〜2 語の検索で AI 要約が出たのはわずか 8% でしたが、10 語以上の検索では 53% に上がりました。疑問詞で始まる検索クエリの 60%、名詞と動詞の両方を含む検索の 36% が AI 要約を表示しています。

AI Overviewsの表示率と数字の読み方: Pew Research Centerが2025年3月の米国成人900人のGoogle検索を実測した、検索の型別のAI要約の表示率。全体18%、1〜2語8%、10語以上53%、疑問詞で始まる60%、名詞と動詞を含む36%(出典: Pew Research Center)
検索の型別のAI要約の表示率

クリックの数字も同じ調査にあります。AI 要約に出会ったユーザーが従来の検索結果のリンクをクリックしたのは全訪問の 8% で、出会わなかったユーザーでは訪問の 15% でした。AI 要約に出会ったユーザーが要約の中のリンクをクリックすることもまれで、要約のあるページへの全訪問のわずか 1% でした。閲覧セッションを完全に終えた割合は、AI 要約のあるページで 26%、従来の検索結果だけのページで 16% でした。ただし AI 要約の有無に関係なく、全検索の約 3 分の 2 はリンクをクリックせずに、Google 内の別の場所を見るかサイトを離れるかで終わっています。引用されるサイトの構成(Wikipedia などの内訳)は本記事では扱わず、Pew の記事本文に譲ります。

数字を読む前に確かめる条件は測定対象・測定時期・測定国・測定単位

この調査の 18% は、米国の成人 900 人が 2025 年 3 月に行った Google 検索の、収集時点での表示であって、日本の自店の検索での表示率ではありません。同じ調査でも、検索を分母にすると 18%、回答者を分母にすると 58% になります。回答者の約 6 割(58%)は、2025 年 3 月に AI 生成の要約が表示される Google 検索を少なくとも 1 回行っています。数字を読むときは、測定対象(誰の・どの検索か)、測定時期(AI 要約は時間とともに変わる)、測定国(米国か日本か)、測定単位(検索を数えたのか、人を数えたのか)を同じ文で確かめます。どれかが書かれていない数字は、自店に当てはめる前に出典へ戻ります。日本語の Google 検索で AI Overviews が表示される割合は、この記事が引いた公式発表と調査の範囲では書かれていません。

Googleの「クリックされる」と調査の「クリックが減る」は測るものが違う

Google は 2024 年 5 月の発表で、AI Overviews に含まれるリンクは、そのページがそのクエリで従来のウェブ検索結果として表示された場合よりも多くクリックされていると書いています。2024 年 8 月には、AI Overviews のある検索結果ページからのクリックはウェブサイトにとってより質が高く、ユーザーが訪れたサイトでより長く時間を使う傾向があるとし、デスクトップの AI Overviews に右側のリンク表示を新設しました。2024 年 10 月には、AI Overviews の文中に直接表示されるインラインリンクを導入し、Google 自身のテストでは以前のデザインと比べて裏付けとなるウェブサイトへのトラフィックが増えたと書いています。比較対象は「従来のウェブ検索結果として表示された場合」と「以前のデザイン」で、クリック率の数値はこの 3 本の発表には書かれていません。Pew の 8% と 15% は、AI 要約のあるページとないページの訪問単位の比較です。別のものを測った数字として並べて持ちます。

日本の店舗運営者と実務者が明日変えられること

客が疑問形で聞くことを書き出し、GBPと自社サイトで答える

Pew の調査で AI 要約が出やすかったのは、疑問詞で始まる検索や 10 語以上の検索でした。自店について客が「駐車場はあるか」「個室は何名から使えるか」「ペット同伴は可能か」と疑問形で聞くことを書き出し、Googleビジネスプロフィール(GBP)の属性(支払い方法/バリアフリー/Wi-Fi・駐車場・個室/テイクアウト・デリバリー/ペット同伴可否)と自社サイトの店舗ページで答えているかを確かめます。GBP と自社サイトの点検チェックリストは「AI検索に店を出す対策」が担当します。

GBPの点検を月1回の習慣にする

表示率の数字より先に整える情報があります。GBP の点検は、オーナー確認/基本情報/写真20枚以上/週1投稿4週間/クチコミ導線設置/全件返信/NAP統一/月1回インサイト確認、の8項目です。

数字を引用するときは調査名・母集団・時期を同じ文に書く

上司や顧客に数字を出すときは、「Pew Research Center の調査で、米国成人 900 人の 2025 年 3 月の Google 検索の 18% に AI 要約が出た」のように、調査名・母集団・時期を同じ文に書きます。人単位の値(回答者の 58% が 3 月に少なくとも 1 回遭遇)を併記すると、検索単位と人単位の取り違えを防げます。自店の検索での表示回数の確認方法は本記事では扱いません。自店への疑問形の問いを書き出し、GBP と自社サイトの点検を月 1 回の習慣にする段階に、あなたは立っています。