Googleビジネスプロフィール(GBP)の「パフォーマンス」は伸びているのに、Search Console の表示回数やサイトのアクセスは増えない。どちらかが壊れているのではありません。 最初から違うものを数えています。
一言でいえば、GBP はプロフィールの上で起きたことを、Search Console はサイトへのリンクに起きたことを数えます。前者にはルート検索や通話のようにサイトへ来ない行動が含まれ、後者にはそれが入りません。
この記事では両方の定義を公式ヘルプで並べ、単位・広告・集計・期間の順に疑う手順を示します。MEO(Map Engine Optimization)の数字をどの判断に使うかを決められます。
GBP のパフォーマンス指標は「プロフィールで何が起きたか」を数える
GBP ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」は、パフォーマンス データを「ユーザーがお客様のビジネス プロフィールをどのように見つけたかを確認できます」と説明しています。なお、パフォーマンス データは「オーナー確認済みのビジネス プロフィールでのみご利用いただけます」(オーナー確認の記事)。
閲覧数はユニーク ユーザー数で、表示回数より少なくなる
ヘルプは閲覧数を「Google 検索と Google マップでお客様のビジネス プロフィールを閲覧したユーザーの数」と定義し、「この閲覧数は、ビジネス プロフィールやメール通知で確認できる表示回数よりも少ない場合があります」と注記しています。理由として挙げられているのは次のとおりです。
- 「この指標では、プロフィールを閲覧したユニーク ユーザーの数がカウントされます」
- 複数のデバイス(パソコンやモバイルなど)やプラットフォーム(マップや検索など)からアクセスされた場合、「カウントされる回数には上限があります」
- 「ユーザーは 1 日 1 回のみカウントされます。同じ日に複数回アクセスした場合でも、1 回としてカウントされます」
- 数えるのはプロフィールの閲覧数だけで、「Google でのビジネスの合計表示回数はカウントされません」
この「複数のデバイス」は特殊な読者像ではありません。総務省の令和7年通信利用動向調査(調査時点は令和7年8月末、対象地域は全国、6歳以上の世帯構成員 42,214 人分の集計、利用機器は複数回答)では、端末別のインターネット利用状況で「スマートフォン」が「パソコン」を28.8ポイント上回っています。差はついていても、どちらも利用機器として集計されています。 ヘルプが上限をかけているのは、同じ人が複数のデバイスやプラットフォームからプロフィールにアクセスした場合です。上の調査が数えているのは端末ごとの利用状況で、同じ人が何台の端末からプロフィールを見たかではありません。
もう 1 つ、混ざっているものがあります。パフォーマンス データには「オーガニック検索結果と Google 広告の両方における表示回数、検索情報、ユーザーの行動が含まれます」。広告を出しているなら、その分もこの数字に入っています。
数えているのはプロフィール上の行動で、主な指標のうちサイトに向かうのは「ウェブサイトのクリック」
| 指標 | 何を数えるか | 行き先 |
|---|---|---|
| 閲覧数 | 検索とマップでプロフィールを見たユーザーの数 | プロフィール上 |
| ルート | ビジネスへのルートを検索したユーザーの数 | 店 |
| 通話数 | 通話ボタンが押された回数 | 店 |
| ウェブサイトのクリック | プロフィールに出ているウェブサイトのリンクが押された回数 | 自社サイト |
| 検索 | ビジネスを探すのに使われた検索語句 | (語句の一覧) |
**この表の範囲では、自社サイトへ向かう行動は「ウェブサイトのクリック」**です。ルートも通話も、プロフィールの上で完結します。GBP の数字が伸びてもサイトのアクセスが動かないのは、伸びた分が後者に寄っている場合があるからです。
業種によっては予約や商品の指標も並びますが、「お客様のビジネスに関連する指標のみが表示されます」。この表の外にも、サイト側へ人を送る指標はあります。 ヘルプが「ホテルにのみ適用されます」と断っている「予約リンクのクリック数」は、「ユーザーがリンクをクリックするとお客様のランディング ページに誘導され、そこでホテルを直接予約できます」と説明されています。「メニュー」も、メニューのリンク経由の分が含まれます。ただしヘルプが定義の冒頭に置いているのは「1 日あたりのユーザーごとの」メニュー コンテンツでのクリック数という数え方で、そこに「メニュー写真、メニューのリンク、構造化されたメニューデータ」でのクリックが入ります。ユーザーと日の単位が付かない「ウェブサイトのクリック」とは数え方が違うので、2 つを足したり比率にしたりはできません。上の表だけを見て「サイトへ向かうのはウェブサイトのクリックだけ」と決めず、自分のプロフィールに並んでいる指標を先に確かめてください。
Search Console は「サイトへのリンク」の表示とクリックを数える
Search Console ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」が扱うのは、Google 検索・Google ニュース・Discover で「サイトへのリンクやサイトのコンテンツ」がどれだけ閲覧・操作されたかです。
主語がサイトへのリンクであって、プロフィールではありません。ここが GBP との根本的な違いです(対象になる面の違いはMEO と SEO の違いにまとめています)。
表示回数は「リンクが検索結果ページにあれば」数え、同じ表示は重ねて数えない
定義は「サイトへのリンクが Google で閲覧された頻度」で、結果タイプによってはスクロールや展開でリンクが見える状態になる必要があります。基準は、いま表示されている検索結果ページに項目が載っていれば数える、というものです。ユーザーがクリックして続きを表示しないと出てこない場合は数えません。
同じ表示でも、集計の単位で数が変わります。 「多数のリンクがあるナレッジパネル エントリ」のような複合要素は、「プロパティ別にグループ化した場合、カウントされる表示回数はカード全体で 1 回のみです」。リンクの本数ではなくカードの数で数えられる、ということです。
クリックは Google の外へ移動したときだけ数える
線は「Google の外に出たか」です。ヘルプは、ほとんどの検索結果タイプで「Google 検索、Discover、Google ニュース以外のページに移動させるクリック」を数え、「リンクをクリックしても Google プラットフォーム内に留まる場合は、クリック数にカウントされません」としています。ただしヘルプは同じ文の括弧で例外を名指ししていて、「AMP をクリックすると通常 Google AMP リーダーが開きますが、これもクリック数にカウントされます」と書いています。**Google の中に留まったままでもクリックとして数える形が、名指しで置かれています。**同じリンクは重ねて数えません。 ヘルプは「検索結果をクリックして外のページに移動した後、元のページに戻って同じリンクをクリックしても、クリック数としてカウントされるのは 1 回のみです」とし、「別のリンクをクリックした場合は、リンクごとにクリック数としてカウントされます」と続けています。表示回数の側と同じ型の条件で、同じ人が同じリンクを何度も往復してもクリック数は積み上がりません。そのうえで、検索結果のタイプによってカウント方法が異なる場合がある、と添えています。
この線を GBP に当てると、ルート検索も通話ボタンも Google の中で完結するので、AMP リーダーのように名指しで数えるとされた形に当たらない限り、クリックにはなりません。GBP 側で伸びていても Search Console のクリック数には出ません。
乖離を切り分ける手順:単位・広告・集計・期間の順に疑う
- 同じ単位か。GBP の閲覧数はユニーク ユーザーの数で 1 日 1 回、Search Console の表示回数はリンクの表示
- サイトに向かう行動(「ウェブサイトのクリック」)だけを比べているか
- GBP の表示回数に広告が含まれていないか
- Search Console のグラフと表の合計が違っていないか(次の表)
- 他のツールの数字と比べていないか
- 期間と更新のタイミングが揃っているか
グラフと表の合計が違うとき
Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート(検索結果): データの不一致に関するトラブルシューティング」が挙げる理由は次の表のとおりです。
| 理由 | 何が起きているか |
|---|---|
| 集計の差異 | [ページ] や [検索での見え方] のフィルタを足すと、グラフと表で集計の方法が変わり、グラフ側のクリック数と表示回数の合計が増える(まれに減る)ことがある |
| テーブルの行数の上限 | 表は 1,000 行までしか出せないので、頻度の低い行やロングテールが表から省略されることがある。省略された分もグラフの合計には入っている |
| 匿名化されたクエリ | クエリタブでは匿名化された結果(非常にまれなもの)が表から外れる。クエリフィルタを掛けていなければグラフの合計には入る |
| 合計の不一致 | 上の 2 つ(匿名化の除外と切り捨て)により、ページやクエリで絞ったときの「一致」と「不一致」の合計が、絞らないときの合計より少なくなることがある |
他のツールと違うとき
同じヘルプは、Search Console のデータが「他のツール(Google アナリティクスなど)に表示されるデータと異なる場合があります」として、理由をいくつか挙げています。
- プライバシー: 「たとえば、検索回数が非常に少ないクエリは除外されます」
- 処理: ソースデータの処理によって、他のソースに出るものと異なる統計情報が生成されることがある(重複が削除されるなど)
- タイムラグ: 収集されたデータが使えるようになるまで通常 2〜3 日
- タイムゾーン: 24 時間ビューを除くすべてのビューで、日ごとのデータを太平洋時間(PT)で扱う
- JavaScript: Google アナリティクスなど一部のツールは、JavaScript を有効にしているユーザーのぶんしか追えない
どれも「片方が間違っている」ではなく、収集の条件が違うという話です。
期間と更新のタイミングを揃える
更新の周期も揃っていません。GBP の [検索] 指標は毎月月初の更新で、表示されるまでに 5 日ほどかかることがあります。月初すぐに前月分を比べようとすると、片方だけがまだ埋まっていない状態を見ることになります。DigitalGOAT編集部の目安では、順位や効果を数字で見たい段階になったら計測ツールの検討に入ります。

よくある誤解:どちらが正しいかではなく、何を数えたかを見る
「ローカル検索のクリックは Search Console に数えられない」は公式には書かれていない
一般規則は「Google 検索、Discover、Google ニュース以外のページに移動させるクリックが、すべてクリック数にカウントされます」です。これに従えば数えられそうに読めます。
ところが、GBP のウェブサイト リンクからサイトへ移動した場合の扱いは、結果タイプ別の一覧に項目がありません。しかもその一覧には「すべてを網羅したものではありませんのでご注意ください」と注記されています。
この記事で読んだ範囲では、数えられるとも数えられないとも書かれていません。 断定せず、GBP の「ウェブサイトのクリック」と Search Console のクリック数を同じ期間で並べて見ます。
数字は月に一度、同じ期間で並べる
DigitalGOAT編集部の推奨は、GBP のパフォーマンスと Search Console の数字を同じ期間で並べ、サイトに向かう行動(ウェブサイトのクリック)と店に向かう行動(ルート・通話)を分けて記録することです。合算すると、上のどの違いも見えなくなります。
DigitalGOAT編集部のMEO を自分でやる記事にある「月1回インサイト確認」は、この習慣のことです。なお「インサイト機能は、一部のビジネス プロフィールではご利用いただけない場合があります」。