
アクセス解析の参照元に ChatGPT や Perplexity からの訪問がぽつぽつと並び、そのために手を動かすべきか迷っている人に向けて書きました。
Ahrefs の 3,000 サイト調査では、AI チャットボットから来た訪問者はサイト平均で 0.17% でした。 同じ Ahrefs が自社サイトを測った別の実測では、AI 検索から来た 0.5% の訪問が、登録の 12.1% を占めていました。 量の数字と成果の数字では、同じ流入の見え方がまるで変わります。 以下は、2 つの実測を対象・期間・数え方の条件つきで並べ、自分の GA4 で同じ 2 つの数字を出すまでの手順です。
AI検索からの流入はサイト平均0.17%(Ahrefsの3,000サイト調査)
Ahrefs は 2025 年 2 月 6 日に、匿名化した 3,000 サイトの流入を調べた結果を公表しました。 数えた AI チャットボットは ChatGPT・Claude・Copilot・Gemini・Perplexity・Jasper・Mistral の 7 つです。
訪問を受けたサイトの数と流入に占める割合
調査したサイトのうち、AI からの訪問が 1 回でもあったのは 1,900 サイトでした。 割合にすると、調査したサイトの 63% に、AI チャットボット経由の訪問者が少なくとも 1 人いたことになります。 月平均の流入に占める AI の割合は、閲覧数で 0.12%、訪問者数で 0.17% です。 規模の 3 つの層のどれでも、上位のサイトは流入のおよそ 6% を AI から得ており、最も多いサイトは 18% でした。
AIからの流入の98%は3つのチャットボットから
AI 経由の流入のうち、ChatGPT が半分を超え、Perplexity が 3 分の 1 弱、Gemini が約 18% を送っていました。 残る Claude・Copilot・Mistral・Jasper の 4 つは、合わせても 2% 未満です。
小さいサイトほど流入に占める割合は大きい
調査は、月間の訪問者数が 10,000 人を超えるサイト・1,000〜9,999 人のサイト・999 人未満のサイトの 3 層に分けて比べています。 訪問の数で見ると、訪問の多いサイトほど AI からの流入も多く受けていました。 一方で流入全体に占める割合は、月間の訪問者が 999 人未満の小さいサイトのほうが大きくなっています。 小さいサイトほど、AI 経由の流入のうち ChatGPT が送る割合も大きい傾向でした。
0.5%の訪問が登録の12.1%(Ahrefs自社サイトの実測)
2025 年 6 月 16 日に公表されたこの実測は、Ahrefs 自身のサイト 1 つを対象にしたものです。 データは同社の解析ツール Ahrefs Web Analytics から取っています。 筆者は、ChatGPT・Copilot・Gemini などの AI アシスタントの中で行われる検索を「AI 検索」と定義しています。
直近30日の流入と登録
直近 30 日の流入のうち AI 検索からは 0.5% で、年初からの累計では 0.3% でした。 同じ直近 30 日の登録では、12.1% が AI 検索から来ていました。 その登録の大半は ChatGPT 経由です。 筆者は、Ahrefs では AI 検索からの訪問者が、従来のオーガニック検索からの訪問者より 23 倍高い率で登録に至ったと書いています。

滞在時間は短く、見るページは多い
AI 検索からの訪問者は、従来の検索からの訪問者ほどサイトに長く滞在していませんでした。 筆者は、この点は自社のブログや動画をじっくり見る人が多い Ahrefs に固有の事情かもしれない、とも書いています。 一方で、見るページの数は従来の検索からの訪問者より 50% 多くなっています。 筆者はさらに、大まかな試算として、AI 検索の利用者は従来のオーガニック検索よりリンクを 75% 少なくクリックすると見積もっています。 そのうえで、AI 検索が標準になったときに成約率の高さがそのまま続くかは分からない、とも書いています。
Ahrefsの実測を並べるときの条件
| 条件 | 3,000 サイト調査 | 自社サイトの実測 |
|---|---|---|
| 対象 | 匿名化した 3,000 サイト | Ahrefs のサイト 1 つ |
| 期間 | 月平均の流入 | 直近 30 日 |
| 数えた AI | 7 つの AI チャットボット | ChatGPT・Copilot・Gemini などの AI アシスタント |
| 主な数値 | 訪問者の 0.17% | 流入の 0.5%・登録の 12.1% |
| 数え方の注意 | 参照元を追えた訪問だけ | 成果は Ahrefs への登録 |
計測に出ないAI経由の訪問は「直接」に入る
3,000 サイト調査の数字は、解析ツールで参照元を追えた訪問だけに頼っています。 Ahrefs はこれを、見えている AI 経由の訪問、つまり最低限の量だと説明しています。
参照元を渡さないAIがある
筆者は、Copilot から来た訪問が Ahrefs Web Analytics でどう記録されるかを、小規模なテストで確かめています。 訪問の参照元は「Direct」と表示されました。 同じテストを数回繰り返し、どの回も「Direct」として記録されたと書いています。 Mistral と Jasper でも、AI からの訪問は「direct」として記録されたと報告しています。 同社は、個別のページで直接の流入が急に増えたら、追跡できない AI がそのページを参照している兆しかもしれない、と勧めています。 解析で拾えない分を補う方法として、「どこで知ったか」を聞くフォームのような定性的な記録も挙げています。 AI の回答を見た人がその場でリンクを押すとは限らず、あとから訪れることもある、という実務家の指摘も紹介しています。 同社は、AI 経由の訪問が少なく数えられているなら、AI 経由の成果も同じく少なく数えられていると書いています。
GA4の「AI アシスタント」に入るもの・入らないもの
GA4 のデフォルト チャネル グループには「AI アシスタント」というチャネルがあります。 ヘルプはこれを「ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grok などのソースからユーザーがサイトにアクセスする際のチャネルです」と説明しています。 参照 URL が AI アシスタントのリストと一致すると、メディアは「ai-assistant」に設定されます。 同じ説明には「Google の AI による概要と AI モードは除外されます」とあります。 AI による概要と AI モードからの訪問は、オーガニック検索のチャネルに含まれます。 直接のチャネルは、参照元が「(direct)」と完全一致し、メディアが「(not set)」か「(none)」の訪問です。
| 来た経路 | 記録のされ方 | 出どころ |
|---|---|---|
| ChatGPT・Gemini・Deepseek・Copilot・Grok など | GA4 の AI アシスタント | アナリティクス ヘルプ |
| Google の AI による概要・AI モード | GA4 のオーガニック検索 | アナリティクス ヘルプ |
| 参照元を渡さない AI(Copilot・Mistral・Jasper で観察) | Ahrefs Web Analytics で Direct | Ahrefs の検証 |
AI による概要が検索結果にどれくらい出るかは、AI Overviews の表示率の記事にまとめています。 Search Console での見方は、生成 AI のパフォーマンス レポートの記事を参照してください。
自分のGA4でAI経由の割合と成果率を出す手順
使うのは、GA4 に標準で用意されているトラフィック獲得レポートです。 先に成果を数えるイベントを決め、そのあとでレポートから 2 つの数字を出します。
手順1:成果と数えるイベントをキーイベントにする
GA4 では、ビジネスの成果にとって特に重要なアクションを測定するイベントを「キーイベント」と呼びます。 収集したどのイベントでもキーイベントにできます。 測るには、そのアクションを測定するイベントを作成または特定して、キーイベントとしてマークを付けます。 キーイベントのヘルプは例として、見込み顧客の発掘ページを 90% までスクロールしたイベントをキーイベントにする流れを挙げています。
手順2:トラフィック獲得レポートでAI アシスタントの行を見る
- 左側のメニューから [レポート] を選び、[集客] > [トラフィック獲得] を開きます
- 表の行は、レポートのデフォルトのディメンションである「セッションのデフォルト チャネル グループ」で分かれています
- 表の上にある検索バーで、見たいトラフィック ソースを検索します
トラフィック獲得レポートが見つからない場合は、削除されているか、デフォルトのビューに含まれていない可能性があります。 編集者以上の権限があれば、左側のナビゲーションに追加し直せます。
特定のページに絞って流入元を見るときは、レポート上部の [+ フィルタを追加] から、ディメンションに [ページパスとスクリーン クラス] を選びます。
「セッション」の付くディメンションは、新規ユーザーかリピーターかにかかわらず、ユーザーの直近のセッションを表しています。 DigitalGOAT編集部の推奨は、訪問を呼んだ流入元を「セッション」の付くディメンションで見て、1 か月の値を単独で評価せず、同じ条件で並べた前の月と比べることです。
手順3:割合と成果率を計算する
| 出す数字 | 使う指標 | 出し方 |
|---|---|---|
| AI 経由の割合 | セッション | AI アシスタントの行のセッションを、表の合計のセッションで割る |
| AI 経由の成果率 | セッション キーイベント レート | AI アシスタントの行の値を、オーガニック検索の行の値と並べる |
セッション キーイベント レートは、キーイベントが発生したセッションの数をセッションの総数で割って算出されます。 Ahrefs の実測で成果率に当たるのは、訪問あたりの登録の率を従来のオーガニック検索と比べた 23 倍のほうで、登録の 12.1% は全登録に占める割合です。


まとめ:AI検索からの流入は量でなく成果率で判断する
- 量の数字(Ahrefs の 3,000 サイト調査)は参照元を追えた訪問だけを数えた下限なので、DigitalGOAT編集部は自社の割合が小さくても合否の線にしないことを勧めます
- 成果の数字(Ahrefs の自社サイト)は 1 社の直近 30 日の実測なので、DigitalGOAT編集部は自社の成果率を自分の GA4 で出すことを勧めます
- GA4 では、AI アシスタントのチャネルで割合を、セッション キーイベント レートで成果率を出せます。どちらも計測に出た分の下限として読む
この記事の手順を終えると、自分のサイトで AI 経由の割合と成果率の 2 つが手元にある段階にいます。 次は、AI アシスタントの行で成果につながった訪問の入口のページを確かめ、そのページが AI の回答に引かれ続ける状態かを点検する段階です。