「AIO対策」として提案される作業は、提案元によって中身が違います。llms.txtや構造化データを足すべきかの基準が無いまま、作業だけが増えます。Google Search Centralは生成AI最適化ガイドと「AI features and your website」(以下、AI機能ドキュメント)を公開しています。この両方から、要る条件と要らない施策を分けます。

生成AI検索の最適化は、GoogleにとってはSEOのままである

生成AI最適化ガイドは、SEOのベストプラクティスは引き続き関係がある、と書いています。理由は、Google検索の生成AI機能が中核となる検索ランキングと品質のシステムに根ざしていることです。同じ見出しで「AEO」「GEO」という呼び名にも触れ、Google検索の観点では、生成AI検索の最適化は検索体験の最適化であり、したがって依然としてSEOである、としています。

第三者の「AEO」「GEO」の助言とサービスをどう評価するか

同じ段落は続けて、第三者の「AEO」「GEO」の助言やサービスを検討しているなら、第三者のSEOの助言を評価することについてのガイダンスを確認するように、と書いています。

同じ注意は測定の見出しでも繰り返されます。順位の成功を約束したり、Googleの「内部」指標を使うと主張したりする第三者ツールには注意すること、Googleの内部のランキングシステムやAIシステムにアクセスできる第三者ツールは存在しないことが書かれています。ツールを使うこと自体は否定されておらず、その助言を公式ガイダンスに照らして評価するように、と続きます。

入口としては、当サイトの過去記事の検討タイミング——投稿・返信が2週間以上停止/管理媒体3つ以上で更新漏れ/順位や効果を数字で見たい/複数店舗運営、のいずれか該当で検討——がそのまま使えます。

AI Overviewsに出る条件と、保証されないこと

追加要件は無い、というAI機能ドキュメントの記述

AI機能ドキュメントは冒頭で、AI OverviewsやAI Modeに表示されるための追加要件はなく、他の特別な最適化も必要ない、と書いています。参照リンクとして表示される対象になるには、ページがインデックスされ、スニペット付きでGoogle検索に表示される資格があり、検索の技術要件を満たしている必要があります。そのうえで、追加の技術要件はない、と明記されています。

新しい方のガイドには、Search Console側の条件が書かれている

一方、生成AI最適化ガイドの対応する箇所には続きがあります。検索の技術要件に加えて、Google検索の生成AI機能で表示される資格を得るには、サイトがSearch Consoleで検索の生成AI機能に含まれている必要がある、という記述です。

更新日も違い、生成AI最適化ガイドのページ末尾は「Last updated 2026-07-10 UTC.」、AI機能ドキュメントは「Last updated 2025-12-10 UTC.」です。同じ発行元で記述が食い違うので、新しい方を前提に置き、Search Console側の扱いを確認する作業を残すのが安全です。この掲載をどこで操作するのかは、両文書を「Search Console」で全文検索した範囲では書かれていません。

条件を満たしてもクロール・インデックス・表示は保証されない

両方の文書が、要件の説明の直後に同じ但し書きを置いています。ページがすべての要件とベストプラクティスを満たし、ポリシーに準拠しているからといって、Googleがそのコンテンツをクロール、インデックス、配信するとは限らない、という一文です。ガイドはこれに「Indexing and serving aren't guaranteed.(インデックス登録と配信は保証されません)」を続けます。

GoogleのAIO対策(AI Overviews): インデックス・スニペット表示の資格と Search Console 側の掲載、それでも配信は保証されない 3 つの関門(出典: Google Search Central)
AI Overviews に出るまでの 3 つの関門

AI機能ドキュメントは、AI Overviewsは従来の検索に対して付加的だとシステムが判断したときにのみ表示され、そのため多くの場合は発動しない、とも書いています。条件を満たすことと表示されることは別です。

「やらなくていい」とGoogleが名指しした施策

ガイドには、Google検索のために無視してよいことをいくつか挙げる、という見出しがあります。

施策 ガイドの記述 実務での判断
llms.txtなどのAIテキストファイル Google検索自体がそれらを使わない 他サービス向けに置くのは問題ないと明記
コンテンツのチャンク化 細かく分割する要件はない 理想的なページ長はなく、最終的には読者のためにページを作る
AI向けの書き直し 特定の書き方をする必要はない 言い換えの網羅をやめる
不自然な「言及」集め 見た目ほど有用ではない 依頼して増やす施策をやめる
構造化データ 生成AI検索には必須ではない SEO戦略全体の一部として使い続けるのは良い考えだ(Google検索のリッチリザルトの対象になるのに役立つため)
GoogleのAIO対策(AI Overviews): 要るもの(表示の資格と Search Console 側の掲載)、要らないもの(llms.txt・チャンク化)、条件つきの構造化データ(出典: Google Search Central)
Google検索のために要るものと要らないもの

llms.txtはGoogle検索では使われない。ただし他サービス向けなら別

ガイドは、Google検索(その生成AI機能を含む)に表示されるために、新しい機械可読ファイル、AIテキストファイル、マークアップ、Markdownを作る必要はない、Google検索自体がそれらを使わないからだ、と書いています。同じ項目には、これらのファイルを使う他のサービスやシステムのためにLLMS.txtファイルを作成・維持すると決めるのはまったく問題ないが、Google検索での可視性や順位を上げも下げもしない、とも書かれています。

llms.txtの仕様の提案元は、エージェントがllms.txtを見るか検索して必要な情報を見つけ、関連するリンクをたどることを想定しています。用途も、主に訓練ではなく推論に有用だろうというのが提案元の予想で、訓練の実行でもこの情報を活用できる、とも書かれています。当サイトの「AI検索に表示されるための対策」は、ChatGPTなどGoogle以外のAIアシスタント向けにも構造化データとllms.txtを挙げています。対象のサービスを分けて読んでください。

ローカルビジネスが先に直す場所

GBPとサイトの情報を最新に保つ

生成AI最適化ガイドのローカルビジネス向けの項目は、適切な場合、生成AIの応答には商品リスティング、商品情報、ローカルビジネスの情報が含まれることがある、という書き方です。限定は「適切な場合」で、常に含まれるとは書かれていません。Merchant CenterやGoogleビジネスプロフィール(GBP)を使うことが、AI応答と他のGoogle検索結果の両方で商品やサービスが見えるのに役立つ、と続きます。AI機能ドキュメントの箇条書きにも、Merchant Centerとビジネスプロフィールの情報が最新かを確認する、があります。

重要な情報をテキストで置く

同じ箇条書きには、重要なコンテンツがテキスト形式で利用できるようにする、もあります。メニュー表や料金表を画像だけで貼っている場合、品名と価格はテキストとして存在していません。営業時間・定休日・NAP(店名、住所、電話番号)も同じで、画像やSNSにしか無い情報は読み取れる形に置き直します。

画像については、該当する場合、高品質な画像や動画でテキストコンテンツを補強する、と限定付きで書かれています。当サイトの過去記事の、無料でやるMEO(Map Engine Optimization)対策のチェックリスト——オーナー確認/基本情報/写真20枚以上/週1投稿4週間/クチコミ導線設置/全件返信/NAP統一/月1回インサイト確認——のうち、この箇条書きと重なるのは基本情報と写真です。

独自性のある内容は、現地でしか書けない

ガイドは、人々が独自で、説得力があり、有用だと感じるコンテンツを作ることは、このガイドの他のどの提案よりも、長期的には生成AI検索でのウェブサイトの存在感に影響する可能性が高い、と書いています。例として一次体験にもとづくレビューが挙げられ、既存の内容の要約は他所にある情報を言い直しているだけだとされています。

一方で、人々が検索するかもしれない変化形すべてに個別のコンテンツを作ることには釘を刺しています。主にランキングや生成AIの応答を操作する目的でそれを行うと、Googleの大規模なコンテンツの不正利用に関するスパムポリシーに違反します。エリア名や業種名を差し替えただけのページの量産は、長期的に有効ではありません。

材料はクチコミの周辺にあります。イクシアスの調査(500名対象)では、評価3.8以上かつクチコミ30件以上が「信頼できる店」の分岐点とされ、TryHatchの調査(1,090名対象)では、Googleマップで調べた店舗に実際に来店した人は73%です。

効果はSearch Consoleのどこに出るか

ガイドは、Google検索とDiscoverの生成AI機能でのパフォーマンスを測るために、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを使うよう案内しています。AI機能ドキュメント側では、AI機能に表示されたサイトはSearch Consoleの検索トラフィック全体に含まれ、パフォーマンスレポートの「ウェブ」検索タイプで報告される、と書かれています。出したくないときの止め方はこの記事では扱いません。

読み終えたあとに判断すること

llms.txtや構造化データより先に、インデックスとスニペットの資格、Search Console側の掲載、GBPとサイトのテキスト情報を確認する段階にいます。第三者の提案は、公式ガイドのどの記述に対応するのかを確かめてください。