
AI の回答に自社サイトが出典として出ているかを、提供元が数えた数字で確かめられる画面があります。Microsoft の Bing Webmaster Tools にある「AI Performance」です。
Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」によると、Search Console のこのレポートが数えるのは、AI による概要や AI モードでサイトへのリンクが表示された回数です。AI Performance は、Copilot などの回答に自社のページが出典として引用された回数を数えます。この記事は、その数字が何を数え、何を数えないかを Bing の公式ヘルプとブログで確かめ、毎月の読み方の手順にまとめます。
AI Performanceで分かること(Copilotの回答での引用)
AI Performance は 2026 年 2 月 10 日に、Bing Webmaster Tools の公開プレビューとして告知されました。告知は、生成された回答の中で自社のコンテンツがどれくらい引用されているかを初めて把握できる、と書いています。
対象はCopilot・BingのAI要約・一部のパートナー
Bing Webmaster Tools のヘルプ「AI Performance」は、AI Performance が引用を数える対象を次の 3 つとしています。
- Microsoft Copilot
- Bing の AI による要約(AI-generated summaries in Bing)
- 一部のパートナーの AI 連携(Select partner AI integrations)
「一部のパートナー」がどのサービスを指すかは、この記事が保存した Bing のヘルプとブログ 2 本の範囲では名前が挙がっていません。
画面に出る主な数字
Total Citations・Cited pages・Average cited pages・Grounding queries の定義は、ヘルプの「How are AI Performance Metrics Calculated?」の節などにあります。
| 数字 | ヘルプの定義 |
|---|---|
| Total Citations(引用数) | 選んだ期間に、AI の回答の中で自社のコンテンツが出典として見える形で示された回数 |
| Cited pages | ある 1 日に引用された、自社サイトの異なるページの数 |
| Average cited pages | 選んだ期間での、1 日あたりの引用されたページ数の平均 |
| Grounding queries | AI が回答に使うコンテンツを探したときの語句 |
公開プレビューの告知は、Average cited pages は全体の引用の傾向を表すもので、順位や権威、個々の回答でのページの役割を示さないとしています。
期間は、7 日・30 日・3 か月と、表示できる履歴の範囲内での任意の期間から選べます。データは毎日更新され、処理の遅れが少しあります。書き出しは CSV と Excel に対応しています。
引用数とgrounding queryが数えていないもの
引用はクリックでも流入でもない
ヘルプの FAQ は、引用がクリックや流入を表すかという問いに「No」と答えています。注記でも、AI Performance は順位や権威、重要度を測らず、どのコンテンツが引用されたかを示すだけだとしています。
AI の回答から自社サイトへ来た訪問の数え方は、AI検索からの流入を追う価値を判断する記事で扱いました。数字どうしの扱いについて、DigitalGOAT編集部の推奨は、別の道具の数字と一致させようとせず、数える対象が違うものとして役割を分けて読むことです。
grounding queryは利用者の質問そのものではない
grounding queries のタブの各行は短い語句で、ヘルプは「They are not full user questions or prompts.」と書いています。例として、太陽光発電の話題で自社の内容が引用されると、「solar energy」や「solar panels」のような語句の下にまとめて表示されるとしています。ヘルプは grounding query の使い道として、どの語句が自社の引用と結びつきやすいかをつかむことを挙げています。
1 つの grounding query が自社の複数のページに結びつくこともあり、1 つのページが複数の grounding query の下に出ることもあります。個々の AI の回答や正確なプロンプト、そのページが引用された理由は表示されません。grounding query の決まり方は AI の体験やパートナーごとに違うことがあり、表示される語句の言い回しも変わりえます。
数字は標本で、画面ごとの合計は合わないことがある
ヘルプは、表示されるデータが引用されたすべての回の記録ではないと書いています。頻度の低い引用は表示されないことがあります。ページ別・grounding query 別・時系列のグラフのあいだで、合計が違うこともあります。
grounding query で絞ってからページを見た件数と、ページで絞ってから同じ grounding query を見た件数が違う場合もあります。ヘルプは、データが標本で、grounding query とページが少しずつ違う期間で抜き出されることがあるためだと説明しています。その期間の引用の集計が少ないと、grounding query が出ないことがあります。ヘルプは、これはペナルティや除外を意味しないとしています。また、Bing の検索と同じく、AI Performance に出るのはインデックスの対象になりうるコンテンツだけです。

2026年6月に足されたIntents・Topics・Citation Share・Compare
Bing は 2026 年 6 月 16 日に、AI Performance に 4 つの機能をプレビューとして足したと告知しました。Intents・Topics・Citation Share・Compare です。
Citation Shareは自社の取り分で、競合の名前は出ない
Citation Share は、ある grounding query について示されたすべての引用のうち、自社サイトに帰属する引用の割合です。引用数が多くても、同じ語句の引用が多くの出典に分かれていれば、Citation Share は低く出ることがあります。
残りの割合をどのサイトが持っているかは示されず、競合のドメイン名も出ません。Bing のブログは Citation Share を「not a ranking system or a competitive scoreboard」と位置づけています。
ヘルプが挙げる 4 つの読み方は次のとおりです。
| Citation Share の動き | ヘルプの読み方 |
|---|---|
| 高く安定している | その語句について、一定の割合の引用を受け続けている |
| 高いが下がっている | 引用が多くの出典に分散し始めている可能性がある。更新・掘り下げ・構成の見直しの余地を確かめる |
| 中心の語句で低い | 重要な語句で引用の取り分が小さい。内容をより完全に・新しく・分かりやすくできるかを考える |
| 上がっている | 取り分が増えている。内容の変化・需要・ウェブ全体の変化・AI の挙動のどれでも起きうる |
ヘルプは同じ箇所で、Citation Share は順位・流入・品質の点数を表さないとも書いています。
IntentsとTopicsはAIの分類器が付けたラベル
Intents は、grounding query を Informational・Commercial・Local などの意図に分類します。Topics は、関連する grounding query をより大きなテーマにまとめます。どちらも AI/ML の分類器が付けるラベルです。ヘルプは、あいまいな語句や複数の意図を持つ語句では、意図のラベルが自分の見立てと合わない場合があると認めています。Topics で絞ってページを見るには、データを書き出してから絞り込みます。
Compareは変化を見せるが原因は示さない
Compare は、前の期間を同じグラフに重ねる機能です。今の期間が実線、比べる期間が点線で表示されます。ヘルプは、Compare は 2 つの期間で何が変わったかを示すが、なぜ変わったかは説明しない、と書いています。
Bing の公開プレビューの告知は、地域に関する問いに AI が答える場面では、店舗の正確な情報が特に重要だと書いています。そのうえで、Bing Places for Business への登録を勧めています。
Search Consoleの生成AIレポートとどう違うか
2 つのレポートを並べると次のとおりです。
| 項目 | Bing の AI Performance | Search Console の生成 AI レポート |
|---|---|---|
| 対象の AI | Copilot・Bing の AI による要約・一部のパートナー | AI による概要・AI モード |
| 主な数字 | 引用数(出典として見える形で示された回数) | インプレッション数(サイトへのリンクが表示された回数) |
| 語句 | grounding query(AI が探すときに使った語句) | 語句の分け方は無く、ページ・国・日付・デバイスで分ける |
| 書き出し | CSV と Excel | グラフと表の両方をダウンロードできる |

Search Console のグラフでは、同じサイトの結果が 2 件表示されても 1 回のインプレッションとして数えます。Search Console のレポート自体が表示されないのは、通常、生成 AI 機能で十分なインプレッション数を得ていないサイトです。サイトを「検索の生成 AI 機能」から除外する設定にしていることが原因の場合もあり、その場合は含める設定に戻すと表示できます。グラフの合計と表の合計は、集計の単位が違うため一致しないことがあります。Search Console 側のレポートの読み方は、Search Console の生成 AI レポートの記事にまとめました。
ChatGPTなどの名前はどちらの対象にも無い
Bing のヘルプが名前を挙げているのは Microsoft Copilot と Bing の AI による要約です。ChatGPT・Gemini・Perplexity の名前は、この記事が保存した Bing のヘルプとブログ 2 本の範囲では出てきません。Search Console のレポートが含めるのは Google 検索の AI による概要と AI モードで、Discover には別のレポートがあります。
外部ツールの「引用の割合」は別の数え方
外部のツールにも、AI の引用を数えたデータがあります。Ahrefs の集計「The 50 Most-Cited Websites in Copilot」は、米国の 300 万を超えるクエリで Copilot が引用したドメインを数え、出典ごとの割合(mention share)を出しています。2026 年 9 月のデータでは、Ahrefs の同じ集計の首位は www.amazon.com で 16.8% でした。
この mention share の分母は、上位 50 の出典の引用の合計です。Bing の Citation Share の分母は、その grounding query で示されたすべての引用です。同じ「割合」でも分母が違います。
毎月の読み方の手順
画面の機能だけで組める確認の順番は次のとおりです。
- 期間を 30 日にして、前の 30 日と Compare で重ねる
- ページの一覧で、引用の多いページと少ないページを分ける
- 気になるページを選び、そのページに結びつく grounding query を見る
- 絞り込んだ状態で書き出す(書き出しには今の絞り込みが反映される)
- 数字の差は原因と決めつけず、見直す候補として記録する
grounding query とページは同時に絞り込めず、どちらか 1 つずつです。両方を突き合わせたいときは、絞り込んだデータを書き出してから照合します。公開プレビューの告知も、AI の回答ですでに参照されているページを確かめることを、この画面の使い道に挙げています。
引用を増やすためのコンテンツの改善策と、IndexNow による更新の通知は本記事の対象外です。

まとめ
AI Performance を開いたときに見る順番は次のとおりです。
- Total Citations と Average cited pages を並べ、引用が一部のページに偏っていないかを見る
- ページを選び、そのページに結びつく grounding query を見て、どの語句で使われたかを確かめる
- Citation Share は語句ごとの取り分として読み、順位や競合との比較には使わない
- 流入や問い合わせは AI Performance では見ず、別の計測で見る
ここまで読み終えた方は、引用されているページとされていないページを並べ、どこから手を入れるかを決める段階にいます。