Search Console のブランドクエリ: 店名で探した検索と店を知らない人の検索を 2 つに分けたカードを GOAT君 が見るアイキャッチ(出典: Google)
店名の検索と、新しい検索を分ける

店のサイトへの検索からのアクセスが増えた。 ただ、もともと店を知っている人が店名で検索しただけなのか、店を知らなかった人が見つけてくれたのかは、合計の数字からは分かりません。 Google は 2025 年 11 月 20 日、Google 検索セントラル ブログで、Search Console のパフォーマンス レポートにブランドクエリ フィルタを追加したと発表しました。 2026 年 3 月 11 日の更新で、このフィルタはすべての対象サイトで使えるようになっています。

Search Console のブランドクエリ フィルタとは

ブランドクエリ フィルタは、検索結果のパフォーマンス レポートのクエリデータを「ブランド」と「ブランド以外」の 2 つのビューに分ける機能です。 「ブランド」には、ブランド名や関連性の高い商品を含む検索語が入ります。 「ブランド以外」には、それ以外のすべての検索語が入ります。

ブランドに数えられる 3 種類の検索語

Google の定義では、ブランドクエリは次の 3 種類の語を含む検索です。

種類 Google が挙げる例 店のサイトに置き換えると
ブランド名 Google 店名で探す検索
ブランド名のバリエーションやスペルミス Gogle 店名の誤字や別の表記で探す検索
ブランド関連の商品やサービス Gmail その店にしかない商品やサービスの名前で探す検索

3 つ目の種類には、店名を含まない検索も入ります。 ブランド名は「すべての言語」が対象です。

判定は AI が行い、順位には影響しない

ブランドかどうかの判定は、キーワードを含めるか除外する正規表現で決まるものではありません。 AI を活用した Google の内部システムが決めています。 Google は「ブランド分類は動的でコンテキストに依存するため、一部のクエリが誤って分類されることがあります」と書いています。 このフィルタは Search Console の中でデータを分けて見るためのもので、Google 検索のランキングの仕組みには影響しません。

ブランド以外の検索が新規客の入口を表す理由

Google は、ブランドと非ブランドを分けて見る理由を次のように説明しています。

  • ブランドクエリでは、通常、サイトのランキングの高いページが検索結果に表示され、クリック率が高くなります。
  • 非ブランドクエリでは、最初はサイトに来るつもりのなかった新規ユーザーが、どうコンテンツを見つけたかを確認できます。

非ブランドクエリについて、Google は「オーガニックな成長を把握できます」とまとめています。 合計の数字だけを見ていると、クリック率の高いブランドの検索が全体を押し上げ、ブランド以外の動きが見えにくくなります。

Search Console のブランドクエリ フィルタ: ブランドとブランド以外の 2 つのビューが含む検索語と、それぞれから読めることを並べた比較図(出典: Google)
ブランドとブランド以外で読めること

フィルタで絞り込める指標

フィルタを適用すると、インプレッション数、クリック数、平均掲載順位、クリック率などの指標が、選んだグループに限って表示されます。 フィルタは、パフォーマンス レポートのすべての検索タイプ(ウェブ、画像、動画、ニュース)に適用できます。

分析情報レポートのカードで内訳を見る

分析情報レポートには、ブランドとブランド以外の合計クリック数の内訳を示すカードが加わりました。 Search Console ヘルプの「分析情報レポート」は、ブランドを具体的に検索したユーザーからのトラフィックについて「ブランド認知度が高いことを示す」と説明しています。 分析情報レポートは、Google のウェブ検索結果のパフォーマンス指標をもとに作られています。 表示する期間は、上部の期間選択ツールで変えられます。 なお、分析情報レポートそのものも段階的に導入中で、一部のユーザーは使えない場合があるとヘルプは書いています。

Search Console のブランドクエリ: 検索からのアクセスの増加を喜んだ GOAT君 が、ブランドとブランド以外に分けて見て、増えたのは店名の検索だったと気づく 4 コマ(出典: Google)
増えたのは店名の検索だった

ブランドクエリ フィルタが使える条件

画面にフィルタが出ないときは、プロパティの種類と検索の量を確かめます。

確かめること Google の説明 店のサイトで当たりやすい例
プロパティの種類 トップレベルのプロパティでのみ使える ブログの部分だけを URL パスのプロパティで登録している
サブドメイン サブドメインのプロパティでは使えない 予約ページなどを別のサブドメインのプロパティで登録している
検索の量 十分な量のクエリとインプレッションがあるサイトでのみ使える 開いたばかりで、検索結果に表示された回数が少ない

分析情報レポートのヘルプも、サブプロパティ(https://example.com/blog/ など)や表示回数が少ないサイトにはこのフィルタを使えないと注記しています。 同じ注記には「この新機能は、完全にリリースされるまで、対象となる一部のサイトに表示されない場合があります」ともあります。 ただしブログのほうは、2026 年 3 月 11 日にすべての対象サイトで利用できるようになったと更新されています。 プロパティの種類が理由なら、トップレベルのプロパティでレポートを開き直します。 検索の量が足りない場合は、次の節の方法で近い数字を作ります。

フィルタが出ないときは正規表現で店名を外す

Search Console ヘルプの「高度なフィルタリングと比較」によると、クエリのフィルタには、正規表現で検索語を絞り込む方法があります。 ヘルプの手順に沿うと、店名を含む検索語を外す操作は次の順になります。

  1. フィルタの行で [+ フィルタを追加] をクリックする
  2. [クエリ] を選ぶ
  3. [カスタム(正規表現)] を選ぶ
  4. 店名とその表記ゆれを、縦線(|)で区切って入力する
  5. [正規表現に不一致] を選ぶ
  6. [適用] をクリックする

入力する式は、たとえば次の形になります(店名が「ゴート食堂」の場合)。

(ゴート食堂|ゴート 食堂|ごーと食堂|goat shokudo)

ヘルプによると、正規表現は RE2 の構文で、既定では部分一致です。 大文字と小文字は、既定では区別されません。 そのため、「ゴート食堂 ランチ」のように店名を含む長い検索語も、この式で外れます。

店名の表記が 1 つしかないなら、正規表現を使わずに [次を含まないクエリ] を選び、店名を 1 つ入れる方法でも外せます。 この方法は大文字と小文字を区別しませんが、それ以外はスペースを含めて厳密に当てはめます。 「ゴート 食堂」のように間にスペースを入れた検索も外したいなら、上の式のように表記ゆれを並べられる正規表現を使います。

正規表現で作った数字が小さく出る理由

フィルタのヘルプにも、クエリや URL でフィルタするとデータの切り捨てや匿名化されたクエリの除外によりレポートの合計が変わることがある、と書かれています。 Search Console ヘルプの「データの不一致に関するトラブルシューティング」は、さらに具体的に、匿名化されたクエリの除外とデータの切り捨てにより、「一致」と「不一致」の合計がフィルタしない場合の合計より少なくなることがあると書いています。 つまり、正規表現で作った「店名を含まない検索」の数字は、実際より小さく出ることがあります。

もう 1 つの違いは、数える語の範囲です。 Google のフィルタは、店名を含まない独自の商品やサービスの検索もブランドに数えます。 正規表現は、式に書いた語しか外しません。 その店にしかないメニュー名やサービス名も外したいなら、その語も式に足す必要があります。

ブランド以外の推移を読む手順

DigitalGOAT編集部の推奨は、1 か月の値を単独で評価せず、同じ条件で並べた前の月と比べる読み方です。 Search Console のヘルプから、比べるときに外せない点を表にまとめます。

見る順 すること ヘルプの記述
1 フィルタを「ブランド以外」にして、日付の [比較] で 2 つの期間を並べる 2 つの値を比較すると、結果表に各行の値の差を示す列が表示される
2 粒度を [週単位] か [月単位] にする 曜日の影響が薄まり、長期的な傾向を比べやすくなる
3 直近の 2~3 日は判断に使わない 収集されたデータは通常、2~3 日以内に利用可能になる
4 比較は 1 つずつ行う 一度に保持できる比較は 1 つのみ

日付の区切りは太平洋時間

パフォーマンス レポートは、24 時間ビューを除くすべてのビューで、日ごとのデータを太平洋時間(PT)で集計しています。 日本時間で区切った他のツールの数字と、1 日ごとの値が合わないことがあるのはこのためです。 月単位で比べれば、この差は小さくなります。

GBP や GA4 の数字とは分けて読む

Search Console の数字は、Google アナリティクスなど他のツールの数字と異なることがあります。 ヘルプは理由として、プライバシー保護のための除外、データの処理、タイムラグ、タイムゾーン、JavaScript の有無を挙げています。 たとえば、検索回数が非常に少ないクエリは、プライバシー保護のために除外されます。 DigitalGOAT編集部は、別の道具の数字を一致させようとせず、数える対象が違うものとして役割を分けて読むことを勧めています。 Googleビジネスプロフィール(GBP)の数字とサイトの数字の食い違いは、GBP の表示回数とサイトの数字のずれで扱っています。 GA4 で流入元を数える方法は、GBP のウェブサイトリンクと GA4 の計測にまとめました。

まとめ

「ブランド以外」の推移から読めるのは、店名を知らなくても届く検索語での、表示とクリックの動きです。 まずは自分のサイトの Search Console でフィルタが出るかを確かめ、出たら「ブランド」側のクエリの一覧から、入るべき語が入っているかを見るところから始めてください。