GBPのリンクとGA4の計測: GOAT君 がリンクの記号と3本の棒のボードを見て、UTMを付けてGA4で数える方法を考えるアイキャッチ(出典: Google)
GBPのリンクにUTMを付けてGA4で数える

Googleビジネスプロフィール(GBP)の「ウェブサイト」ボタンから何人がサイトに来たのかは、GA4 を開いただけでは分かりません。アナリティクス ヘルプ「URL 生成ツール」によれば、GA4 は、リンク先の URL に付いた UTM パラメータを読んで、どのキャンペーンがトラフィックを呼び込んでいるかを示します。裏返せば、UTM の無いリンクから来た訪問には、GBP から来たと取り出す手がかりがありません。GBP に入れる URL に UTM を付けておけば、GBP 経由のセッションを GA4 で取り出せます。

GBP で URL を入れられる場所は「ウェブサイト」とローカル ビジネス リンク

GBP で自社の URL を置ける場所は、ビジネス情報の「ウェブサイト」欄と、予約や注文に使うローカル ビジネス リンクの 2 系統です。ウェブサイト欄について、GBP のヘルプ「ビジネス プロフィールを編集する」は「「http://」または「https://」を含む完全な URL を入力します。」と指示しています。UTM を付けた URL も、この完全な形のまま入れます。

GBP のヘルプ「ローカル ビジネス リンク」によると、ローカル ビジネス リンクには 2 種類あります。メニューやサービスの一覧を見せるリンクは 1 つ追加できます。予約・席の確保・料理の注文・商品の注文に使うリンクは、カテゴリごとに最大 10 個まで追加できます。ただし、予約や注文のリンクをプロフィールに足せるかどうかは業種によります。

置き場所 何のリンクか URL を入れるのは誰か
ウェブサイト欄 ビジネスのウェブサイト オーナー(プロフィールの編集画面)
メニュー・サービス一覧のリンク メニュー、サービスの一覧 オーナー(1 つまで)
予約・注文のリンク 予約、席の確保、料理や商品の注文 オーナー(カテゴリごとに最大 10 個)
サードパーティのリンク 提携する予約・注文サービスのページ プロバイダまたは Google の自動データ

UTM を自分で付けられるのは、表の上の 3 行です。Google 検索と Google マップでは、特定のサービスへのリンクがプロフィールに自動で表示されることがあります。こうしたリンクは、サードパーティ プロバイダによって提供、更新されるか、Google の自動データに基づいて生成されます。URL を書くのが自分ではないので、自分の UTM は付きません。

もう 1 つの制約は入れ方です。ローカル ビジネス リンクは、Business Profile API 経由とスプレッドシートのアップロードでは追加できません。複数の店舗を一括管理していても、UTM 付きの予約リンクは店舗ごとに [プロフィールを編集] から入れることになります。

UTM に入れる 3 つの値:utm_source・utm_medium・utm_campaign

アナリティクス ヘルプは「URL にパラメータを追加する際は、どのようなケースでも utm_source、utm_medium、utm_campaign を使用する必要があります。」としています。3 つの役割は次のとおりです。

  • utm_source: 参照 URL を識別する
  • utm_medium: マーケティング メディアを識別する
  • utm_campaign: 商品、スローガン、プロモーション コードを識別する

ヘルプは、UTM パラメータを 1 つでも設定するなら関連するすべてを設定するよう強く勧めています。設定されていないパラメータは、レポートに「(not set)」と表示されます。

もう 1 つ使える値に utm_content があります。ヘルプの例では、メールの中に行動を促すリンクが 2 つあるとき、utm_content に別々の値を入れてどちらが効果的かを判断します。GBP ならウェブサイト欄と予約リンクの見分けに使えます。

大文字と小文字は、レポートとチャネルで扱いが違う

値の大文字と小文字は、GA4 の中で扱いが 2 通りに分かれます。ヘルプは、パラメータの値では大文字と小文字が区別されるとし、「utm_source=google と utm_source=Google は異なります」と例を挙げています。一方、デフォルト チャネル グループの判定について、アナリティクス ヘルプ「デフォルト チャネル グループ」は「チャネルの定義では大文字と小文字が区別されません。」と書いています。

つまり Organic と organic は同じチャネルに入りますが、参照元やメディアの行は 2 行に割れます。ヘルプのベスト プラクティスは、標準的な手法として小文字を使うよう勧めています。

utm_medium の値で、入るチャネルが変わる

アナリティクス ヘルプ「トラフィック獲得レポート」によると、トラフィック獲得レポートの既定のディメンションは「セッションのデフォルト チャネル グループ」です。このチャネルは、参照元やメディアの値を Google が決めた判定条件に当てて決まります。utm_medium に何を入れるかで、GBP からの訪問がどのチャネルに入るかが変わります。

utm_medium の値 当たる判定条件 入るチャネル
organic メディアが organic に完全一致 オーガニック検索
referral メディアが referral・app・link のいずれか 参照
条件に無い独自の値(gbp など) 参照元の値と Google の参照元リストしだい どの条件にも当たらなければ unassigned

「unassigned」は、イベントデータに一致するその他のチャネルルールがない場合に使用される値です。参照元リストの中身はヘルプ本文には無く、スプレッドシートとして別に配布されています。また、デフォルト チャネル グループそのものは編集できず、独自のカテゴリはカスタム チャネル グループを作って設けます。作ったグループは、メインのチャネル グループとしていつでも切り替えられます。

キャンペーン名にも注意がいります。有料ショッピングとオーガニック ショッピングの判定条件には、キャンペーン名が shop または shopping を含むかを見る正規表現が入っています。gbp-shop のように名前に shop を入れると、オーガニック ショッピングの条件に当たります。キャンペーン名に「cross-network」が含まれる場合は、クロスネットワークの条件に当たります。

GBP 向けの命名例とタグ付き URL

ここからは DigitalGOAT編集部の例です。上の規則(3 つの値は必須・小文字で書く・medium は判定条件に当たる値にする)から組み立てました。3 つの共通の値は utm_source=google・utm_medium=organic・utm_campaign=gbp とし、リンクの見分けを utm_content に任せます。

GBP のリンク utm_content URL の末尾に足す文字列
ウェブサイト欄 website ?utm_source=google&utm_medium=organic&utm_campaign=gbp&utm_content=website
予約リンク booking ?utm_source=google&utm_medium=organic&utm_campaign=gbp&utm_content=booking
メニューのリンク menu ?utm_source=google&utm_medium=organic&utm_campaign=gbp&utm_content=menu

複数の店舗があるなら、utm_campaign を gbp-shibuya のように店舗ごとに分けると、GA4 のキャンペーンの列で店舗別に並びます。ヘルプのベスト プラクティスは、キャンペーン名と完全に一致する一意の名前を 1 個のみ使うよう求めています。店舗名の表記は最初に決めた 1 通りに固定します。

URL の書き方は、ヘルプの手動設定の説明どおりです。疑問符で URL とパラメータを区切り、パラメータと値のペアは等号でつなぎ、ペアどうしはアンパサンドで区切ります。パラメータを並べる順番に決まりはありません。

パラメータは手動で URL に追加できるほか、ウェブサイトへのリンクならキャンペーン URL 生成ツールでも作れます。

GBP にタグ付きの URL を入れる手順

手順は、値を決める・URL を組み立てる・GBP に保存する・GA4 で探す、の 4 段です。GBP の編集には、ビジネス プロフィールにリンクされている Google アカウントへのログインが必要です。ビジネスによっては、情報を変更する前にオーナー確認を済ませる必要もあります。

GBPのリンクとGA4の計測: UTMの3つの値を決めてURLを組み立て、GBPに保存し、GA4のセッション キャンペーンで探す流れ(出典: Google)
GBP のリンクに UTM を付けて GA4 で探す流れ

ウェブサイト欄に入れる

Google 検索でビジネス プロフィールに移動し、[プロフィールを編集] を選びます。ウェブサイト欄にタグ付きの URL を入れ、変更が完了したら [保存] を選びます。Google マップ アプリなら、右下の [ビジネス] から [プロフィールを編集] をタップします。

入れる URL について、ヘルプは「サイトで Googlebot がブロックされていないことを確認します。」とも書いています。Search Console を使って、サイトにペナルティが課されていないことを確かめるよう求めています。

予約・注文のリンクに入れる

Google 検索では、プロフィールの [予約]、[料理の注文]、[店舗受け取りと宅配] のいずれかを選びます。Google マップでは [プロフィールを編集] を選び、リンクを追加する取引の種類を選びます。[リンクを追加] を選び、ボタンにリンクする URL を入れて [保存] を選びます。すでにリンクがある場合は [別のリンクを追加] を選びます。

リンクが複数あるときは、上部に表示する優先リンクを「ビジネス優先」として設定できます。

保存したら GA4 で探す

GA4 では、左側のメニューから [レポート] を選び、[集客] > [トラフィック獲得] を開きます。1 つのトラフィック ソースだけを見るには、表の上にある検索バーでトラフィック ソースを検索します。ディメンションを「セッション キャンペーン」に切り替えて gbp を検索すれば、GBP のリンクから始まったセッションの行が出ます。

GA4 で読む:「セッション」の付くディメンションを使う

アナリティクス ヘルプ「トラフィック ソース ディメンションのスコープ」によると、GA4 のトラフィック ソースのディメンションには、「ユーザーの最初の」と「セッション」の 2 種類の接頭辞があります。接頭辞の付かないイベント スコープのディメンションは、キーイベントの貢献度を割り当てるためのもので、この記事では扱いません。

「ユーザーの最初の」は初回の流入元だけを残す

ユーザー スコープの各ディメンションに割り当てられた値は、ユーザーがウェブサイトまたはアプリに戻ってきた後も変わりません。最初に検索広告から来た人が、あとで GBP のリンクから来ても、「ユーザーの最初の参照元」は最初の値のままです。このディメンションが並ぶのはユーザー獲得レポートです。ユーザー スコープとセッション スコープのディメンションは、プロパティのアトリビューション モデルを変えても影響を受けません。

セッション スコープのディメンションは、ユーザーがウェブサイトやアプリに再アクセスするたびに新しい値が割り当てられます。トラフィック獲得レポートには、新規ユーザーとリピーターのアクセス元が表示されます。GBP のリンクが呼んだ訪問を数えるなら、見るのはトラフィック獲得レポートです。

UTM を見るディメンションを間違えない

ヘルプは、「ランディング ページ + クエリ文字列」と「ページ階層とクエリ文字列」のディメンションでは UTM パラメータが省略されると注意しています。これらのディメンションでは UTM 情報は取得されず、代わりにページ ロケーション ディメンションにデータが入ります。ランディング ページの一覧で utm_content=booking を探しても見つからないので、キャンペーンやメディアのディメンションで見ます。

ブックマークからの再訪は、前の UTM に関連付けられる

セッションのディメンションには、読み方の注意が 1 つあります。ヘルプは「直接の訪問で開始されたセッションは、そのユーザーの UTM 値に関連付けられます。」と書いています。ヘルプの例では、3 回目のセッションの途中で UTM 付きのリンクを踏んだ人が、週末にブックマークで商品ページを開いて購入します。その 4 回目のセッションは partner / affiliate に数えられています。

GBP のリンクから来た人が、翌週ブックマークから予約ページに戻った場合も同じ扱いになりえます。GA4 の gbp の行には、GBP のボタンを押していない再訪が混ざることがあります。

GBP の「ウェブサイトのクリック」と並べるときの注意

GBP のパフォーマンスにある「ウェブサイトのクリック」と、GA4 のセッション数は同じものを数えていません。GBP のヘルプ「パフォーマンスとインサイトを確認する」の定義では、GBP 側は、ビジネス プロフィールに表示されたウェブサイトへのリンクのクリック数です。GA4 のセッションには、上で見たとおり、直接の訪問が前の UTM に関連付けられたぶんが入ります。また、GA4 のセッションは、デフォルトでは 30 分間操作がなければタイムアウトで終わります。30 分以内に同じ人がボタンを 2 回押しても、GA4 では 1 セッションにまとまる場合があります。

GBP のパフォーマンス データには、オーガニック検索結果と Google 広告の両方における表示回数、検索情報、ユーザーの行動が含まれます。utm_medium=organic を付けた URL の数字と、広告を含む GBP の数字を並べるときは、この違いを前提に置きます。パフォーマンス データを見られるのは、オーナー確認済みのビジネス プロフィールだけです。GBP 側の数字は、ビジネス プロフィールの [パフォーマンス] を開き、上部でレポートの期間を選んで確かめます。DigitalGOAT編集部は、無料でできる MEO 対策のチェックリストに「月 1 回のインサイト確認」を入れています。

GBP の表示回数と Search Console の数字が合わない理由の切り分けは、GBP の表示回数と流入が合わない理由で扱っています。

まとめ

  • GBP で UTM を付けられるのは、ウェブサイト欄と自分で入れるローカル ビジネス リンクで、サードパーティのリンクには付きません
  • utm_source・utm_medium・utm_campaign の 3 つは必ず入れ、値は小文字で揃えます
  • utm_medium=organic はオーガニック検索の条件に当たり、独自の値はどの条件にも当たらなければ unassigned になります
  • GA4 ではトラフィック獲得レポートの「セッション キャンペーン」で gbp を探します

UTM を入れ終えたら、次は GA4 で utm_content ごとの行を月ごとに比べ、ウェブサイト欄と予約リンクのどちらがよく使われているかを見る段階です。