
MEO(Map Engine Optimization)対策の話は、たいてい「何をすれば上がるか」から始まります。この記事は先に範囲を切るところから始めます。事業者が触れる場所と、Google が勝手に入れてくる場所と、誰にも約束できない場所は別だからです。
届く先からして 2 つではありません。公式ヘルプ「Google がビジネス プロフィールとローカル検索結果の情報を入手する方法と、それらの用途」は、Google 検索と Google マップに加えて、API 経由のサードパーティのウェブサイトやアプリケーションでも表示していると書いています。
以下、そのヘルプと「プロフィールの強度を管理する」を根拠に、施策を 3 つの層に仕分けます。
MEO対策の対象はどこか:Google 検索・Google マップ・API 経由の表示
掲載先は 3 系統あります。Google 検索と Google マップ、API 経由のサードパーティのサイトやアプリ、そして企業ユーザーの分析情報の作成や見込み顧客の獲得に使われる場合です。自分が管理していない画面にも同じ情報が回る、というのが出発点になります。
ヘルプが挙げる例はヘアサロンです。住所や営業時間を登録すると、「近くのサロン」や「サロン 営業中」で検索したユーザーのローカル検索結果に表示される可能性があります。この枠を実務ではローカルパックと呼びます。**「表示されます」ではなく「表示される可能性があります」**と書かれている点は、後の第 3 層で効いてきます。
読み手がどの画面でこの表示先を見るかも押さえておきます。NTTドコモ モバイル社会研究所の2024年スマホ利用者行動調査(調査対象:全国・15~79歳のスマホ利用者・情報検索実施者・n=5692、調査時期 2024年2月、調査方法 Web)で情報検索や調べものに最も利用する機器を聞くと、全体の約7割の人がスマホを最も利用しており、パソコンを最も利用する割合は約3割でした。スマホ利用者を対象にした調査なので、日本の全人口の比率ではありません。
Google はビジネス情報をどこから集めて、何に使うのか
情報源は 4 つ挙げられています。
- クロール可能なウェブ コンテンツなど、一般公開されている情報(例: 企業の公式ウェブサイトの情報)
- サードパーティがライセンスを所有しているデータ
- 単純な事実(住所や電話番号など)およびコンテンツ(写真やクチコミなど)を提供するユーザー(プロフィールを申請するビジネス オーナーを含む)
- 地域のお店やビジネスと Google とのやり取りに基づく情報
事業者はこのうち 3 番目の「ユーザー」の一人にすぎません。自分が入力した内容は、複数ある入口のひとつから入っていく、という位置づけです。
なお 2 番目(ライセンスデータ)と 4 番目(Google とのやり取り)については、ヘルプに具体例がありません。中身が分からない入口が 2 つあるまま運用することになります。
施策を仕分ける:自分で直せる・Google が入れる・誰も保証できない
以下の仕分けは本記事の判断です。基準は、入力する画面が事業者側にあるか、公式ヘルプが結果を「可能性があります」としか書いていないか、の二点です。

| 層 | 何が入るか(公式ヘルプの記述) | 事業者ができること |
|---|---|---|
| 自分で直せる | ビジネスの説明、営業時間、連絡先情報。写真、動画、投稿などのコンテンツ | 不足している情報を特定して入力する |
| Google が入れる | 一般公開されている情報、サードパーティがライセンスを所有しているデータ、ユーザーが提供する写真やクチコミなど、Google とのやり取りに基づく情報 | 情報の修正を提案するか、削除をリクエストする |
| 誰も保証できない | ローカル検索結果にビジネスが表示される可能性 | 保証を求めない(DigitalGOAT編集部の推奨) |
自分で直せるもの:プロフィールの強度で不足を確認する
不足を探す道具は公式に用意されています。プロフィールの強度インジケーターです。ヘルプが挙げる役立ち方は 3 つで、いずれも「埋める」方向です。
- 不足している情報(例: ビジネスの説明、営業時間、連絡先情報)を特定して入力する
- Google のプロダクトおよびサービス全体(例: Google 検索、Google マップ、Google ショッピング)で一貫したプロフィールを作成する
- 写真、動画、投稿などのコンテンツを追加する
この記事では充足度に独自の点数を付けません。見るのは公式のインジケーターだけです。
ひとつ前提があります。インジケーターはオーナー確認済みのリスティングにしか出ません。まだなら先に Googleビジネスプロフィールのオーナー確認 を済ませます。操作手順は次のとおりです。
- ビジネス プロフィールに移動します。
- [プロフィールの強度] をクリックします。
- 画面上の手順に沿ってプロフィールを完成させます。
- プロフィールを更新したら、[次へ] をクリックします。次の画面に移動するには、[スキップ] をクリックします。
- 最後の画面で [プロフィールに移動] をクリックします。

インジケーターが指す項目を埋めたうえで日々回す運用として、DigitalGOAT編集部の無料でやる MEO 対策チェックリストは、オーナー確認、基本情報、写真 20 枚以上、週 1 投稿を 4 週間、クチコミ導線設置、全件返信、NAP(Name, Address, Phone)統一、月 1 回のインサイト確認の 8 項目です。各項目の操作は、MEO を自分でやる手順 に譲ります。本記事では、食べログやホットペッパーグルメに載せた店名・住所・電話番号も NAP 統一の対象に含めます。
Google が入れるもの:提案と削除リクエストで対応する
ヘルプの例はレストランです。営業時間や所在地といった登録済みの情報に加えて、メニューへのリンクやユーザーがアップロードした食事の写真など、登録していない情報も表示されることがあります。
この層に対して事業者が持つ手段は、直接の編集ではありません。
- 不正確である、または削除が必要と思われる場合 → 修正を提案するか、削除をリクエストする
- その他の法的な理由で削除が必要な場合 → 法的なリクエストを送信する
どちらも申し立てであって、確実に通るとは書かれていません。Google が自動で入れた更新の扱いは、公式ヘルプ「Google によるビジネス プロフィールの更新を管理する」に譲ります。
誰も保証できないもの:表示されるかどうかと、その順位
冒頭で触れた語尾がここに効きます。ヘアサロンの例の書き方は「表示される可能性があります」であって、「表示されます」ではありません。
保証しないと書いているのは Google 自身です。 ローカル検索結果のランキングを改善するヒントは「Google では、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」と明記しています。さらに「検索アルゴリズムの詳細は、すべてのユーザーにとって可能な限り公平なランキング システムを構築するために機密情報となっています」とも書いています。
つまり順位を上げる取引の窓口が存在せず、重みも公開されていません。だから DigitalGOAT編集部の失敗しない選び方チェックリストは、順位保証を謳う業者を避けることを項目にしています。

では公式は何をしろと言っているか
同じヘルプが挙げているのは、順位そのものではなく情報の整備です。
- オーナー確認を行う。「お客様がビジネスの代表者であることを証明でき、検索結果にビジネス情報が表示される可能性が高くなります」
- 情報を正確かつ最新に保つ。ヘルプが挙げる項目は「正確な住所(ユーザーが実際に訪れることのできるビジネス拠点がある場合)」「営業時間(特別営業時間を含む)」「ビジネスの種類」「駐車場や Wi-Fi の利用可否などのその他の詳細情報」の 4 つ
- クチコミに返信する。「そのフィードバックを重視していることをアピールできます」
- 写真や動画を追加する。「提供している商品やサービスをユーザーに紹介したり、ビジネスのストーリーを伝えたり」できる
どれも第 1 層(自分で直せる)の作業です。第 3 層(誰も保証できない)そのものを動かす手はありませんが、ヘルプは知名度について「クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ローカル検索結果のランキングが高くなります」とも書いています。第 1 層の作業がそこに効く、という書き方です。順位を決める要素そのものはローカル検索結果の掲載順位を決める要素 で扱っています。
公式ヘルプに書かれていないことと、よくある誤解
効果が出るまでの期間は書かれていない
出典にした 2 つのヘルプの範囲では、登録した情報が反映されるまでの期間も、対策の効果が出るまでの期間も書かれていません。見積書に期間が入っていたら、その根拠が Google の記述か業者の経験値かを確かめる項目になります。
プロフィールの強度は順位の点数ではない
「プロフィールの強度を管理する」の範囲では、インジケーターと順位や表示回数との関係は書かれていません。強度は不足の一覧として使い、上げること自体を目的にしません。
日本語ヘルプは機械翻訳を含むことがある
どちらのヘルプの末尾にも、AI 技術を使用して翻訳されたコンテンツが含まれている場合があり、AI 翻訳には誤りが含まれている可能性がある、という注記があります。文言が引っかかるときは英語版で原文を確かめます。
自分で回すか、外部サービスを検討するかの目安
DigitalGOAT編集部は、投稿・返信が 2 週間以上停止している、管理媒体 3 つ以上で更新漏れがある、順位や効果を数字で見たい、複数店舗を運営している、のいずれかに当てはまったら検討する、と決めています。今日やることは、プロフィールの強度で不足を埋め、業者の提案を上の層に当てはめて、保証を求める項目を外すことです。自分で直せる層を回せているかを見極める段階に、あなたは立っています。