Googleビジネスプロフィール(GBP)を整えても、GBP だけでは持てない情報があります。Google の自動ランキングシステムは、順位を操作するために作られたコンテンツではなく、人の役に立つように作られた役に立つ信頼できる情報を優先するよう設計されていると、Google 検索セントラルのドキュメントは書いています。そのドキュメントが挙げる自己評価の質問(第一手の経験・独自の情報・誰が作ったか)は、GBP の基本情報・属性・写真・クチコミの項目では答えきれません。この記事は、自社サイトにしか書けない情報と、「お客様の声」ページ・クチコミ転載の可否を公式の記述で整理します。GBP と自社サイトの点検チェックリストは「AI検索に店を出す対策」が担当します。

Googleが優先するのは「人を第一に考えた」役に立つ信頼できる情報

Google 検索セントラルのドキュメント「人を第一に考えたコンテンツ」は、作り手がそのようなコンテンツを作れているかを評価する助けになるよう作られています。生成 AI 機能(AI Overviews と AI モード)向けの公式ガイドは、Google 検索の生成 AI 機能は核となる検索のランキングと品質のシステムに根ざしていると明記しています。生成 AI 向けガイド自身も、詳しくは「人を第一に考えたコンテンツ」のガイドを参照するよう案内しています。仕組みの詳細と要らない施策は「AIO対策は不要?」が、ページ体験と技術要件は前述の点検記事が担当します。

自己評価の質問が求めるのは「第一手の経験」と「独自の情報」

「人を第一に考えたコンテンツ」の質問は、第一手の専門知識と知識の深さ(たとえば、実際に商品やサービスを使った、場所を訪れたことから来る専門知識)を明確に示しているか、読み終えた人が目的を達成するのに十分なほど学べたと感じるか、を問います。コンテンツと品質の質問では、独自の情報・報告・調査・分析を提供しているか、トピックについて実質的で完全な、または包括的な説明を提供しているか、を問います。生成 AI 向けガイドも、第一手のレビューは個人の体験にもとづく独自の視点を提供するが、既存コンテンツの要約は他所で既に手に入る情報を言い直すだけだと書いています。

E-E-A-Tで最も重要なのは信頼で、それ自体は順位要因ではない

経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)のうち信頼が最も重要で、他は信頼に寄与するが、コンテンツが必ずしも全部を示す必要はありません。E-E-A-T 自体は特定のランキング要因ではありませんが、人の健康・経済的安定・安全に大きく影響しうるトピックでは、強い E-E-A-T に沿うコンテンツにさらに重みを置くとドキュメントは書いています。クリニック・治療院・士業のように健康やお金に関わる店舗は、この「さらに重み」の側にいます。

GBPに載る情報と、自社サイトにしか書けない情報

生成 AI 向けガイドは、適切な場合、生成 AI の回答には商品リスト・商品情報・ローカルビジネスの情報が含まれうるとし、Merchant Center や GBP を使うと商品やサービスが AI の回答とその他の Google 検索結果の両方で見えるようになる助けになると書いています。Googleマップを利用してレストランを検索したユーザーのうち実際に来店した人は 73%(TryHatchの調査・1,090名対象)です。イクシアスの調査(500名対象)では、評価は「3.8 以上を基準にする」が 49.6%、クチコミの件数は「30 件以上を信用の基準」が 51.4% でした。母集団は飲食業界向け調査で、直近 3 か月に外食をした 500 名です。表 1 は GBP の項目と自社サイトにしか書けない情報を並べたものです。

情報 GBP に載せる(枚数・頻度はDigitalGOAT編集部の推奨 自社サイトにしか書けない
名称・住所・電話 基本情報 NAP を自社サイトと同じ内容で統一(DigitalGOAT編集部の推奨
設備・対応 属性(支払い方法/バリアフリー/Wi-Fi・駐車場・個室/テイクアウト・デリバリー/ペット同伴可否) 属性が付く条件(実質的で完全な説明)
写真 最低 20 枚以上 いつ誰が撮ったか(どう作ったか)
判断材料 クチコミ(DigitalGOAT編集部の推奨は導線を置き全件返信) 第一手の経験にもとづく独自の視点
手順 週 1 回の投稿を 4 週間 来店前の準備から会計までの手順(目的を達成できるか)
作り手 オーナー確認 署名から著者の経歴と執筆分野へ辿れるか

判断材料・条件・手順は「目的を達成できるほど学べたか」で決める

何を自社サイトに書くかの基準は、読者に他の情報源からもっと良い情報を得るためにもう一度検索しなければと感じさせていないか、という質問です。属性の「個室」に対しては何名から使えるか・予約が要るか・利用時間の上限は何時間かという条件を、写真に対しては初回の来店で受付から会計までに何が起きるかという手順を、店舗ページに書くのが本記事の提案です。この条件と手順が、公式の質問でいう「実質的で完全な説明」に当たります。

誰が・どう作ったかを書く(Who・How・Why)

ドキュメントは、誰がコンテンツを書いたかが訪問者に自明か、署名から著者の経歴と執筆分野へ辿れるか、を問い、読者が期待しうるコンテンツには署名などの正確な著者情報を加えることを強く推奨しています。作り方については、商品レビューを例に、写真などの作業の証拠とともに分かると読者との信頼を築けるとし、AI 生成を含む自動化の利用は「これはどう作られたのか」と思われうるコンテンツで開示が有用だと書いています。「なぜ」は、主に人の役に立つため、サイトに直接来た訪問者に役立つコンテンツであるべきで、検索順位の操作を主目的として AI 生成を含む自動化でコンテンツを作るならスパムポリシー違反です。店舗ページなら、店長かオーナーの名前と写真の撮影日を添え、AI で下書きしたならその旨を書く形です。

「お客様の声」ページとクチコミの転載は公式ガイドラインで判断する

ドキュメント「Review snippet structured data」によると、有効なレビューや評価のマークアップから星を含むリッチ スニペットが表示されることがあり、リッチリザルトとして表示される資格を得るにはガイドラインに従っていなければならず、違反すると手動による対策を取ることがあります。マークアップの書き方は本記事の対象外です。

自社が管理するクチコミには星が付かない

ローカルビジネスのレビュー スニペットは、他のローカルビジネスについてのレビューを集めるサイトだけが対象です。追加ガイドラインは、レビューされる主体が自身についてのレビューを管理している場合、LocalBusiness や他の Organization 型の構造化データを使うそのページは星のレビュー機能の対象外だと定め、例として、主体 A についてのレビューが主体 A のウェブサイトに、構造化データに直接、または Google ビジネスのレビューや Facebook のレビューの埋め込みウィジェットを通じて置かれている場合を挙げています。自社サイトの「お客様の声」ページと Google クチコミの埋め込みは、どちらもこの「自身についてのレビューを管理している」場合に当たり、星は付きません。

載せるなら本物の体験と報酬の開示

ガイドラインが禁じるのは掲載そのものではありません。偽のレビューや報酬を開示していないレビューを、ページにも構造化データのマークアップにも含めないこと、他のウェブサイトからレビューや評価を集約しないこと、が、この節が挙げる規則のうちの 2 つです。偽のレビューの例は、商品やサービスの本物の体験にもとづかないレビューと、金銭・割引・クーポン・無料商品などの利益と引き換えに書かれ、その報酬を明確かつ目立つ形で開示していないレビューです。レビュー スニペットがローカルビジネスや組織についてのものである場合の追加ガイドラインには、評価はユーザーから直接得られたものでなければならないこと、ローカルビジネスの評価情報の作成・キュレーション・取りまとめを人手の編集者に頼らないことも挙がっています。良いクチコミだけを店側が選んで「お客様の声」ページに並べる形は、この人手による選別に当たります。DigitalGOAT編集部は、満足客だけにレビュー依頼し不満客を Google 以外に誘導する手法(レビューゲーティング)を Google ポリシー違反とみなし、改善アンケートはレビュー依頼と切り分けて運用することを勧めています。クチコミを集める声かけも編集部の推奨で、接客時の「ありがとうございます!もしよろしければ、Googleで感想を書いていただけると...」の一言で GBP に導きます。

GBPと自社サイトの情報の役割分担: 自社サイトにクチコミや「お客様の声」を載せるときの判断。自社管理のクチコミに星は付かず、載せるなら実体験と報酬の開示が条件、依頼は接客時の一言でGBPへ(出典: Google、DigitalGOAT編集部)
自社サイトにクチコミを載せるときの判断

断定できることと、断定できないこと

公式の記述から断定できるのは次のことです。Google の自動ランキングシステムは、順位を操作するために作られたコンテンツではなく、人の役に立つように作られた役に立つ信頼できる情報を優先するよう設計されている。Google 検索の生成 AI 機能は核となる検索のランキングと品質のシステムに根ざしている。レビューされる主体が自身についてのレビューを管理している場合、LocalBusiness や他の Organization 型の構造化データを使うそのページは星のレビュー機能の対象外である。

断定できないことは次のとおりです。第一に、AI Overviews に出るかどうかです。生成 AI 機能に表示される資格を得るには、検索の技術要件に加えて、サイトが Search Console で「検索の生成 AI 機能」に含まれている必要があると同じガイドは書いています。ページがすべての要件とベストプラクティスを満たしポリシーに準拠していても、Google がそのコンテンツをクロール・インデックス・表示するとは限らず、インデックスと表示は保証されないと生成 AI 向けガイドは書いています。第二に、AI Overviews が GBP の情報と自社サイトのページのどちらをどう使うかは、この記事が引いた公式ドキュメントの範囲では書かれていません。

GBP の項目で答えられない情報を表 1 で洗い出し、店舗ページに条件と手順を、「お客様の声」ページに本物の体験と署名を足すかを決める段階に、あなたは立っています。