Googleマップのスパム報告: GOAT君 がスマートフォンの地図に立つ怪しいピンを見て、報告の入り口を選ぼうとしているアイキャッチ(出典: Google)
Googleマップで競合のスパムを報告する

近所の同業者が、店名に「地域名+業種」を詰め込んでいる。実在しない店や、架空の電話番号の店が自分の店より上に出ている。こうした掲載を見つけたとき、Google マップには報告の入り口が 1 つではありません。

Google のマップ ヘルプ「Google マップでビジネスを報告する」は、「報告内容に応じて適切なフォームを使用してください。」と案内しています。入り口を取り違えると、送った内容が審査の対象にならないことがあります。

Googleマップで競合のスパムを報告する経路は症状で選ぶ

マップ ヘルプは、ポリシー違反ではない誤りの修正と、違反の報告を別の見出しに分けています。違反の報告の中でも、実在しないと思われる店、誤解を招く店名・電話番号・URL、クチコミへの報酬で入り口が違います。

見つけたもの 使う経路 入り口
ポリシー違反ではない情報の誤り 情報の修正の提案 [情報の修正を提案]
実在しないと思われる店 「不適切、有害、誤解を招く」での報告 [この場所は閉業したか、ここにはありません]
誤解を招く店名・電話番号・URL で、不正行為の疑いがある店 ビジネス情報の改善フォーム マップ ヘルプのヒントにあるフォームへのリンク
クチコミの投稿に報酬を出している店 事業活動の報告 [事業活動を報告]

ポリシー違反ではない誤りは「情報の修正を提案」

店名・カテゴリ・場所・営業時間・電話番号・ウェブサイトは、Google マップの [情報の修正を提案] から追加・編集・報告できます。マップ ヘルプは、この経路を「企業行動規範またはポリシーに対する違反に関連しないビジネス情報」の修正に使うよう分けています。なお、マップ ヘルプは、こうした項目を変更する機能を「一部の国や地域でのみご利用いただけます」としています。

この経路には限界があります。マップ ヘルプ「Google マップで場所の情報を編集する」は、「ビジネス情報を大幅に変更しようとする編集は承認されない場合があります。」と書いています。ヘルプは、こうした編集の多くが不正行為か、掲載を削除しなければならない状況に当たると説明しています。Google は送られた編集をすべて審査し、地図に出るまで時間がかかることがあります。

実在しないと思われる店は「不適切、有害、誤解を招く」で報告する

マップ ヘルプは、「攻撃的、有害、誤解を招く情報が掲載され、実際に存在しないと思われるビジネスが見つかった場合は、報告してください。」としています。手順は 4 つです。

  1. Google マップを開く
  2. 店を検索するか、地図上で選ぶ
  3. [情報の修正を提案] → [この場所は閉業したか、ここにはありません] を選ぶ
  4. [不適切、有害、誤解を招く] → [送信] を選ぶ

同じ手順は、Googleビジネスプロフィール(GBP)のヘルプ「Google 検索と Google マップからビジネス プロフィールの削除をリクエストする」にも載っています。そちらでは「この場所には存在しない」も選択肢の例に挙がっています。

実在するかどうかを見る基準として、GBP のガイドラインは、プロフィールを作れるのを「顧客が訪れることのできる実在の店舗や拠点、または顧客のいる場所に出向くことができるビジネス」としています。

削除のリクエストのヘルプは、「ビジネス プロフィールのオーナーでなくても、ビジネス情報の削除をリクエストできます。」と書いています。リクエストを送るには、Google アカウントへのログインが必要です。送信後に、フォローアップの質問が書かれたステータス メールが届く場合があります。掲載が Google 検索と Google マップから消えるのは、リクエストが承認されたときです。

店名・電話番号・URL の不正は「ビジネス情報の改善フォーム」

マップ ヘルプは、「マップ上で誤解を招くビジネス名、電話番号、ビジネス URL が見つかり、不正行為の疑いがある場合」に、ビジネス情報の改善フォームへの記入を案内しています。複数の店をまとめて報告するときは、10 件以上のプロフィールか、すべての URL を含むスプレッドシートをアップロードできます。

フォームの側は使い道を絞っています。名前・電話番号・URL に関する不正行為ではない申し立ては、「審査の対象にはなりません」とあります。名前・電話番号・URL のただの誤りを直すときも、このフォームは使わず、情報の修正の手順で直すよう求めています。GBP ヘルプの削除のページも、名前・電話番号・ウェブサイトに関わる不正の報告先として、同じフォームを挙げています。

クチコミに報酬を出している店は「事業活動を報告」

マップ ヘルプは、「金銭的報酬、特典、割引を見返りにクチコミを投稿することは禁止されています。」と書いています。報告は Google マップ アプリで店を検索し、プレイスシートの [情報の修正を提案] を開いた画面の下部にある [事業活動を報告] から送ります。このフォームは店の行為を報告するためのもので、特定のクチコミを報告する手順は別にあります。

DigitalGOAT編集部は、自分の店でクチコミを集めるときの線引きとして、満足したお客さんにだけクチコミを頼み、不満のあるお客さんを Google 以外へ誘導するやり方も Google のポリシー違反だと説明し、改善のためのアンケートはクチコミの依頼と切り分けて運用するよう勧めています。

店名に地域名や業種を入れるのはガイドライン違反か

GBP ヘルプ「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」は、「ビジネス名に不要な情報を含めることはできません。含めると、ビジネス プロフィールが停止される場合があります。」と定めています。店名に使うのは、「店舗、ウェブサイト、ビジネスレターなどで一貫して使用し、顧客に認知されている、実際のビジネスの名称」です。住所・営業時間・カテゴリなどは、店名ではなくビジネス情報の別のセクションに入れます。

電話番号と URL にも規定があります。ガイドラインは、「実際のビジネス拠点とは異なる場所、または実際のビジネスのウェブサイトとは異なるランディング ページにユーザーをリダイレクトする、つまり「送る」ための電話番号や URL を指定することはできません。」と定めています。

ガイドラインが「不可」とする店名の例

ガイドラインの「ビジネス名の例」から、競合の店名で見かけやすい型を抜き出すと次のとおりです。

名前に追加できない情報 不可の例 可能の例
サービスまたは商品の情報 自動車整備のエキスパート、グー グー
所在地情報の表示 神田駅前のABC スポーツジム ABC スポーツジム神田
電話番号またはウェブサイトの URL エアポート ダイレクト 0120-123-1111 エアポート ダイレクト
営業時間の情報 ベストピザ 24 時間営業 ベストピザ
マーケティング タグライン ABC 銀行、日本一便利な銀行 ABC 銀行

所在地の行が示すとおり、地域名が入っていればすべて「不可」ではありません。ガイドラインは「ABC スポーツジム神田」や「ABC ホテル八王子」を「可能」の側に挙げています。住所やカテゴリそのものの書き方の規定と、チェーン・部門・個人専門家向けの名称の規定は、本記事の対象外です。

看板と公式サイトの店名を先に確かめる

ガイドラインは、特殊文字や法的用語を店名に含めるとき、それがビジネス名の一部として使われていることを証明できるもの(看板、名刺、請求書など)の提出を求めています。報告する側から見ると、看板や公式サイトに出ている名前が、ガイドラインの基準に照らす材料になります。ただし看板が決め手にならない型もあります。複数の言語や文字体系で同じ店名を繰り返す 2 言語表記は、「実店舗の看板にそのように表示されている場合でも認められません」とガイドラインは書いています。

Sterling Sky の調査(2022 年 4 月公開)は、4 年間に 16 業種・5,306 件の掲載を調べました。この調査がキーワードの詰め込みと数えたのは、Google が実際に同意して店名を直したものだけです。そのうえで、キーワードを詰め込んだ店では、Google に直してもらうまでに何度か試す必要があることが多かったと書いています。

ビジネス情報の改善フォームに書くこと

フォームの冒頭は、対象を「ビジネスの名前、電話番号、URL に関連して、Google マップ上で誤解を招く情報や不正行為を見つけた場合」としています。送った申し立ては、Google マップにビジネス情報を掲載する際のガイドラインに沿って審査されます。

欄 書くこと
氏名(必須) 自分の名前。代理で送る場合も自分の名前を入れる
連絡先メールアドレス(必須) 自分の連絡先メールアドレス
影響を受けている法人または組織の名称(必須) 影響を受けている側の名称
悪意のあるコンテンツ 「ビジネスの名前」「住所」「電話番号」「ウェブサイト」「このビジネスは存在しません」から 1 つ選ぶ
ビジネス情報の公開 URL(必須) 「https://www.google.com/maps」で始まる URL
ファイルのアップロード(省略可) すべての URL を記載したスプレッドシート
掲載されるべきでない理由(必須) 悪意があると思われるコンテンツの正確な引用と、電話番号やウェブサイトなら利用者が受ける影響

公開 URL の調べ方と、まとめて送るとき

公開 URL は、Google マップで店を検索して該当の結果を開き、URL 全体をコピーしてフォームに貼ります。多数の URL を報告する場合、フォームは処理の迅速化のため、一度につき 10~100 件の URL を送ることを勧めています。[さらに追加] で欄を足すか、すべての URL を 1 つのスプレッドシートに記載してアップロードします。

Googleマップのスパム報告: ビジネス情報の改善フォームで、公開URLを貼って項目を選び、理由に引用を書いて送る流れと分かれ道(出典: Google)
ビジネス情報の改善フォームで報告する流れ

理由の欄は、どこがどう誤解を招くかを引用で書く

フォームは理由の欄について、「上記の URL から、悪意があると思われるコンテンツを正確に引用してください」と求めています。悪意があると考えるのが電話番号やウェブサイトなら、「そのコンテンツに対して他のユーザーやビジネスが操作を実行した場合にどのような影響を受けることになるか」も書くよう求めています。フォームは、「提出いただいた申し立てが正しく記入されていない場合や内容が不十分な場合、Google では対応しかねます。」と断っています。

DigitalGOAT編集部が、この注記に沿って理由の欄を組む型は次のとおりです。

【掲載されている店名】「(GBP に出ている店名をそのまま貼る)」
【問題の箇所】店名に「(地域名・業種などの語)」が足されている
【実際に使っている名前】看板と公式サイトの店名は「(実際の名前)」
【電話番号・URL のとき】この番号に電話をかけた人/このページを開いた人に起きること
Googleマップのスパム報告: 編集の提案で直したのに店名が元に戻り、GOAT君がビジネス情報の改善フォームで送り直す4コマ(出典: Google)
店名の不正は改善フォームで引用を添えて送る

報告したあとに分かること・分からないこと

フォームの注には、「このフォームから申し立てをお送りいただいても、その申し立てに対して措置が取られる保証は致しかねます。」とあります。続けて、「また、申し立ての受領後に審査の状況が通知されることはありません。」とも書いています。改善フォームで送った報告の結果は、相手の掲載を自分で見に行って確かめることになります。

削除のリクエストのほうは、ステータス メールが届く場合があると GBP ヘルプに書かれています。削除の条件として挙がっているのは、ビジネスが存在しない場合と、Google に掲載する資格がない場合です。その場合も、書き方は「削除される可能性があります」にとどまります。

報告から掲載が直るまでの日数は、今回確かめた Google のヘルプ 5 本(マップ ヘルプ 2 本・GBP ヘルプ 2 本・改善フォーム)には書かれていません。情報の修正の提案について、マップ ヘルプは「変更内容が地図に反映されるまで、しばらく時間がかかることがあります。」と書いています。同じ箇所に「審査状況については随時お知らせします。」ともあり、通知が無いと明記している改善フォームとはここが違います。

自分の店のことなら別の手続きになる

ここまでの経路は、他の店の掲載に向けたものです。マップ ヘルプは、オーナーが自分のアカウントやプロフィールの問題を解決するには、ビジネス プロフィールを編集する方法を見るよう案内しています。自分のビジネス プロフィールをアカウントから外したいときも、削除のリクエストではなく別の手順になると、GBP ヘルプは書いています。

自分の店の情報が第三者の提案で書き換えられたときは、ユーザーによる情報の編集への対応で扱っています。自分の店についたクチコミの削除は、クチコミの削除依頼の手順にまとめています。

まとめ:症状を見分けてから報告の経路を選ぶ

見つけたものごとの報告先は次のとおりです。

  • 店名・電話番号・URL の不正の疑い: ビジネス情報の改善フォーム
  • 実在しないと思われる店: 「不適切、有害、誤解を招く」での報告
  • ポリシー違反ではない誤り: 情報の修正の提案
  • クチコミへの報酬: 事業活動の報告

どの経路も、措置や削除を約束するものではありません。

報告を送り終えたら、次は自分の店の GBP の店名・電話番号・URL を、同じガイドラインに照らして整える段階です。DigitalGOAT編集部の推奨する「無料でやるMEO対策チェックリスト」にも NAP 統一の項目があり、自分の店の店名・住所・電話番号を見直すときの起点になります。