AI による概要(AI Overviews)や AI モードに、自社ページの文章が使われている。使われたくないページだけ外したい——そう考えて最初に robots.txt を開く人は多いはずです。ただし robots.txt が決めるのはクロールの可否であって、検索結果の中の要約に使うかどうかではありません。

ページ単位で要約への利用を止める指定は、robots meta タグの側にあります。Google 検索セントラルの robots meta タグの仕様nosnippet について「This applies to all forms of search results (at Google: web search, Google Images, Discover, AI Overviews, AI Mode) and will also prevent the content from being used as a direct input for AI Overviews and AI Mode.」と書いています。AI による概要と AI モードに届き、生成の入力としての利用も止まります。

ただし同じ 1 行が、通常の検索結果のスニペットも消します。止めるかどうかは、この交換条件を見てから決まります。

nosnippetはAIによる概要とAIモードにも効く

Google が AI 機能側の制御をまとめた AI features and your website は、ページから出す情報を絞る手段として「To limit the information shown from your pages in Search, use nosnippet, data-nosnippet, max-snippet, or noindex controls.」の 4 つを挙げています。AI 機能だけに効く専用の指定は出てきません。この 2 つの文書を通して「AI による概要にだけ効く」指定を探した範囲では、見当たりませんでした。AI 機能に効かせる指定は、検索結果全体に効く指定と同じものです。

同じ文書は、学習の話をここから切り離しています。「To limit AI training and grounding in some of Google's other systems, read more about Google-Extended.」——検索の中での表示と入力を絞る指定と、Google の他の一部のシステムでの学習を制限する経路は別だという案内です。この記事が扱うのは前者だけで、学習の側は対象外とします。

止まるのは「表示」と「生成の入力」の両方

nosnippet の説明には、性質の違う 2 つの動作が入っています。検索結果にテキストのスニペットと動画のプレビューを出さないこと。そして AI による概要と AI モードで「direct input」として使われるのを防ぐこと。前者は見え方の話で、後者は生成に文章を渡すかどうかの話です。「要約に使われたくない」と言うとき、止めたいのはたいてい後者です。

max-snippet:[number] も同じ両面を持ちます。仕様は「will also limit how much of the content may be used as a direct input for AI Overviews and AI Mode」と書いており、文字数の上限が生成側にもかかります。

静止画のサムネイルは残ることがある

「置けば全部消える」と読むと外れます。仕様は nosnippet の説明を「A static image thumbnail (if available) may still be visible, when it results in a better user experience.」と続けています。テキストと動画のプレビューは止まりますが、静止画のサムネイルは残ることがあります。画像の側を絞るなら max-image-preview という別の指定になります。

AI による概要とスニペットの制御: nosnippet を置いたときに止まる範囲(検索の表示・AI 機能)と、止まらない範囲(静止画のサムネイル・構造化データ・別途の許可)(出典: Google)
nosnippetが届く範囲と、届かない範囲

3つの指定の違いと、ページ単位の選び方

選ぶ軸は 2 つです。ページ全体を対象にするか一部だけにするか、そして全部消すか長さを絞るか。3 つの指定はこの 2 軸に対応しています。

指定 止まるもの 粒度 通常の検索スニペットへの副作用
nosnippet テキストのスニペットと動画のプレビュー。AI による概要・AI モードへの入力も止まる ページ単位 スニペットが出なくなる。静止画のサムネイルは残ることがある。AI による概要・AI モードに参照リンクとして出る資格も失う
max-snippet:[number] テキストのスニペットの文字数。AI 機能へ渡る量にも同じ上限がかかる ページ単位 指定した文字数まで縮む。画像と動画のプレビューには効かない。0 にすると参照リンクの資格まで失う
data-nosnippet 囲った要素の中の文章がスニペットに使われない span / div / section の要素単位 同じ要素が通常のスニペットからも外れる。ページのスニペットは残るので参照リンクの資格は失わない

nosnippet: ページ全体を、まとめて外す

置き場所は <head> の robots meta タグです。宛先を絞るなら name 属性にクローラのトークンを書きますが、仕様は「Google supports two user agent tokens in the robots meta tag; other values are ignored」と書いています。使えるのは googlebot(テキストの結果全般)と googlebot-news(ニュースの結果)で、それ以外の値は無視されます。

クローラごとに別々の指定を書いたときの扱いも決まっています。仕様は「the search engine will use the sum of the negative rules」と書いており、否定の指定が合算されます。片方だけ緩めても、もう片方に書いた否定は効いたままです。

同じページの中で指定どうしがぶつかったときは、別の規則が働きます。仕様は「In the case of conflicting robots rules, the more restrictive rule applies.」と書き、max-snippet:50nosnippet が両方あるページでは nosnippet が適用される、という例を挙げています。1 つ前の「否定の合算」はクローラごとに別々の指定を書いたときの話で、こちらは 1 ページの中で指定が競合したときの話です。長さで絞るつもりで max-snippet を足しても、テンプレートのどこかに nosnippet が残っていれば、全部消す側が勝ちます。

AI 機能側のドキュメントが挙げる 4 つ目の noindex は、ここまでの 3 つとは目的が違います。仕様の説明は「Do not show this page, media, or resource in search results.」で、スニペットを絞るのではなくページそのものを検索結果から消す指定です。AI 機能に出したくないという理由でこれを選ぶと、通常の検索結果からも同時に消えます。スニペットの制御と同じ列に並んでいますが、失うものの大きさが 1 段違います。

max-snippet: 長さで絞る(0 と -1 の意味)

全部消さずに量だけ絞るなら max-snippet: に数値を書きます。仕様が例として挙げている書き方は 3 つです。

<meta name="robots" content="max-snippet:0">
<meta name="robots" content="max-snippet:20">
<meta name="robots" content="max-snippet:-1">
  • max-snippet:0 — 仕様の言葉で「0: No snippet is to be shown. Equivalent to nosnippet.」。nosnippet と同じ結果になります
  • max-snippet:20 — 上限を 20 文字に絞ります
  • max-snippet:-1 — 仕様は「-1: Google will choose the snippet length that it believes is most effective to help users discover your content and direct users to your site.」と書いています。上限を外して Google の判断に戻す指定です

数値の書き忘れには注意が要ります。仕様は「This rule is ignored if no parseable [number] is specified.」と書いており、読み取れる数値が無い指定はそのまま無視されます。置いたつもりで何も起きていない状態は、ここで生まれます。

data-nosnippet: 要素単位で、一部だけ外す

ページ全体ではなく特定の段落だけを外すなら data-nosnippet です。仕様は「This can be done on an HTML-element level with the data-nosnippet HTML attribute on span, div, and section elements.」と書いています。この 3 要素以外に付けても効きません。値そのものは無視されるので、data-nosnippet="false" と書いた要素も外れる側に入ります。

囲い方そのものにも条件があります。仕様は data-nosnippet を付ける範囲に、機械が読み取れる形——妥当な HTML であり、対応するタグがすべて閉じられていること——を求めています。閉じ忘れた div は、そこから後ろの本文をまるごと巻き込みます。テンプレートの一部だけを囲うときは、囲った範囲がそのテンプレートの中で閉じているかを入れる前に確かめます。囲う範囲を決めるのはテンプレートの都合ではなく、読者に見せてよい文と見せたくない文の境目のほうです。

JavaScript で後から付け外しする書き方は避けます。仕様は「To avoid uncertainty from rendering, do not add or remove the data-nosnippet attribute of existing nodes through JavaScript.」と書いています。抽出はレンダリングの前にも後にも起こりうるためで、DOM に要素を足すときは最初から属性を付けた状態で追加します。

HTML を直接編集できない資産——PDF や画像ファイル——には robots meta タグを置けません。同じ指定を HTTP ヘッダー(X-Robots-Tag)で出す経路が用意されていますが、サーバー設定の書式はこの記事の対象外です。

指定しても止まらないもの

nosnippet を置けば自分の文章が一切使われなくなる、とは書かれていません。仕様には、止まらない経路が明示されています。

残るもの 仕様が書いていること 読者がすること
構造化データで提供した情報 robots meta タグの制限は構造化データの利用に影響しない(article.description などの description 値は例外) 構造化データの型と値そのものを削る
別途の許可がある利用 ページ内の構造化データやライセンス契約があると、上限は適用されない 契約と実装の両方を確かめる
静止画のサムネイル nosnippet を置いても表示が残ることがある 画像は max-image-preview で別に指定する

構造化データは別の経路で残る

仕様は「Robots meta tag limitations don't affect the use of that structured data, with the exception of article.description and the description values for structured data specified for other creative works.」と書いています。レシピのカルーセルのように構造化データから組み立てられる表示は、テキストのスニペットを絞っても残ります。例外は article.description と、それに準じる creative work の description 値だけです。

もう 1 行、踏み込んだ記述があります。「Also note that structured data remains usable for search results when declared within a data-nosnippet element.」——data-nosnippet で囲った中に書いた構造化データも、検索結果には使われます。囲めば中身がまるごと消える、とは読めません。構造化データから出る情報を減らしたいなら、仕様が案内しているとおり型と値そのものを削る作業になります。

別途の許可がある場合は上限が適用されない

max-snippet の説明には、上限が効かない条件が書かれています。「However, this limit does not apply in cases where a publisher has separately granted permission for use of content.」——ページ内の構造化データで情報を提供している場合と、Google とライセンス契約を結んでいる場合が例として挙がっています。自社に当てはまる契約があるなら、meta タグだけ直しても結果は変わりません。

止める前に決める4問と、失うもの

止める判断の前に、AI 機能のもう一方の面も見ておきます。Google は AI 機能について、通常のウェブ検索より「a wider and more diverse set of helpful links」を出せると書いています。計測の節では「We've seen that when people click from search results pages with AI Overviews, these clicks are higher quality (meaning, users are more likely to spend more time on the site).」とも書いており、AI による概要が出ている検索結果ページからのクリックは滞在時間の面で質が高い、というのが Google 自身の観測です。指定を置くと、その検索結果ページに載る自社の引用とスニペットが消えます。ページから自社へ来る経路がすべて断たれるわけではありませんが、質が高いと Google が言っている側の入口は細くなります。しかも、細くなるのは引用だけではありません。

見落としやすいのが参照リンクです。AI 機能側のドキュメントは、AI による概要や AI モードに参照リンクとして出る条件を「a page must be indexed and eligible to be shown in Google Search with a snippet」と書いています。スニペットを出せない状態にしたページは、この条件を満たしません。つまり nosnippet と、同じ意味になる max-snippet:0 は、要約に文章を使われなくなるだけでなく、要約の下に自社の名前が並ぶ枠からも降りる指定です。長さを絞るだけの max-snippet:20 や、一部だけ外す data-nosnippet はページのスニペット自体を残すので、この条件は満たしたままです。

失う量の見当をつけるのに使える外部データもあります。Pew Research Center が米国成人 900 名の閲覧データを分析した短報(2025 年 3 月の Google 検索 68,879 件が対象)によれば、AI 要約が出た検索で通常の検索結果のリンクがクリックされたのは全訪問の 8% で、要約の中のリンクがクリックされたのは 1% でした。米国の 2025 年 3 月のデータなので日本の自社サイトの数字ではありませんが、要約に引用されて得ている訪問がどの程度の桁かは見えます。

DigitalGOAT編集部の推奨は、指定を書く前に次の 4 問で対象を 1 つに絞ることです。

  1. 困っているのは学習に使われることか、AI の回答に引用されることか、検索結果から消えることか
  2. 引用されたときに困る理由は何か(誤引用/集客への影響/権利)
  3. 検索からの流入を失ってよいか
  4. 対象は全ページか一部か

3 問目で「失ってよくない」と答えるなら、nosnippet ではなく max-snippetdata-nosnippet を選びます。4 問目で「一部」と答えるなら、ページ単位の指定はその時点で候補から外れます。

入れる範囲も、最初から全ページに広げないほうが安全です。反映までに数日から数か月かかる以上、入れ方を間違えたときに戻すのにも同じだけの時間がかかります。1 ページか 1 テンプレートに入れ、次の節の確認手順で意図どおりに見えることを確かめてから範囲を広げる。この順にすると、待ち時間を 2 度払わずに済みます。急ぐ理由があるとすれば、それは範囲を広げる理由ではなく、どのページから入れるかを先に決める理由です。

AI 機能に出る側の要件——技術要件と検索の基本——は別の主題なので、ここでは扱いません。Google の生成 AI 最適化ガイドを読み解いた記事が対応します。

置いたあとに確かめること

指定を置いても、クローラがページを読めなければ何も起きません。仕様は robots.txt との関係をはっきり書いています。「If a page is disallowed from crawling through the robots.txt file, then any information about indexing or serving rules will not be found and will therefore be ignored.」——robots.txt でそのページのクロールを禁止していると、meta タグに書いた指定は見つからないまま無視されます。確実に止めようとして両方を設定すると、結果として何も止まりません。

確認の手順は 3 つです。

  1. Search Console の URL 検査ツールで Googlebot が受け取った HTML を開き、書いた行が入っているかを見る。AI 機能側のドキュメントも「Make sure that the preview control is correct and visible to Googlebot.」を最初の確認事項に挙げています
  2. 同じ画面から再クロールをリクエストする
  3. 反映を待つ。ドキュメントは「Remember that crawling can take anywhere from several days to several months, depending on how often our systems determine a page needs to be refreshed.」と書いており、数日で変わるページもあれば数か月かかるページもあります
AI による概要とスニペットの制御: nosnippet を置いてから反映されるまでの手順と、robots.txt でクロールを止めていると指定が読まれない分岐(出典: Google)
指定を置いてから反映されるまでの手順

効いたかどうかを自社の数字で確かめるなら、Search Console の生成 AI パフォーマンス レポートが対応します。何が数えられて何が数えられないかはレポートの読み方をまとめた記事に整理しました。

まとめ: 止めるかどうかは測ってから決める

ページ単位で AI による概要と AI モードへの利用を止める指定はあります。nosnippet はページ全体、max-snippet は長さ、data-nosnippet は要素単位で効きます。ただし同じ指定は通常の検索スニペットにも同時に効きます。構造化データ経由で渡している情報は、article.description などの description 値を例外として、3 つのどれでも止まりません(その例外に効かせる指定が max-snippet です)。max-snippet の上限に限っては、別途の許可がある利用にそもそも適用されません。

判断の材料になるのは自社の数字です。AI 経由でどれだけ露出しているかを先に数えれば、外したときに失うものの大きさが見えます。読み終えたいま立っているのは、指定を書く前に測る段階です。