LLMO対策とGoogleのスパムポリシー: AI の回答を表す吹き出しの札と警告の印を GOAT君 が見つめ、回答を操作する手法がスパムに当たるかを考えるアイキャッチ(出典: Google)
AIの回答を操作するとスパム?

「AI に自社をおすすめさせる方法があります」と業者に勧められたとき、その手法が Google の規則に触れるかどうかは、Google 自身が公開している文書で確かめられます。Google のスパムに関するポリシーは、スパムの定義の中で次のように書いています(Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」)。

これには、検索システムを操作してコンテンツのランキングを上げる試みや、Google 検索の生成 AI 応答を操作する試みなどがあります。

勧められがちな手法を、このポリシーの項目に当てはめていきます。やってよい施策の条件はAIO対策の基本で扱っており、本記事の対象外です。

Google のスパムに関するポリシーは生成 AI の回答の操作も対象

冒頭の定義は、スパムを「ユーザーを欺いたり、コンテンツを目立つ場所に表示させるために Google の検索システムを操作したりするために使用される手法」としています。その例として、ランキングを上げる試みと並んで、生成 AI 応答を操作する試みが挙がっています。

適用範囲について、ポリシーは「これらのポリシーは、Google 独自のプロパティに表示されるものも含め、すべてのウェブ検索結果に適用されます」と書いています。

2026 年 5 月 15 日に更新履歴で明確にされた

Google 検索セントラルのドキュメントの更新履歴は、2026 年 5 月 15 日の項目で次のように告知しています。

Google のスパムに関するポリシーが Google 検索の生成 AI の回答にも適用されることを明確にしました。

理由の欄には「スパムに関するポリシーが、生成 AI による回答を含めた Google 検索全体に適用されることを明確にするためです」とあります。同じ日には、生成 AI 機能向けに最適化するための新しいガイドも追加されています。

違反するとどうなるか

検出の方法について、ポリシーは「Google では、自動システムと、必要に応じて行われる人間による審査によって、ポリシーに違反した行為を検出しています」と書いています。場合によっては、手動による対策も実施されます。

第三者からの報告も入口になります。ポリシーは、違反していると思われるサイトを見つけた人に、検索品質に関するユーザー レポートの提出を求めています。更新履歴の 2026 年 4 月 14 日の項目は、Google がスパムレポートの送信内容に基づいて手動による対策を行う場合があることを明確にしたと書いています。手動による対策を受けたあとの対処は本記事の対象外です。

結果として書かれているのは、掲載順位の低下と非表示です。

Google のポリシーに違反しているサイトは、検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります。

ポリシーに並ぶ項目は、すべてを書き尽くしたものではありません。原文は「Google のポリシーは一般的なスパム行為を対象としていますが、検出したいかなる種類のスパム行為に対しても適用される可能性があります」としています。

勧められがちな LLMO 対策と、当たるポリシー項目

Google のスパムに関するポリシーの項目は、手法の名前ではなく、目的と行為で定義されています。勧められがちな手法を、定義の近い項目に当てはめると次のようになります。

勧められた手法 照合するポリシー項目 原文の例示
AI 向けの指示文を白い文字で書く 隠しテキストと隠しリンクの不正使用 白の背景で文字の色を白にする
検索エンジンが読むときだけ文章を足す クローキング 検索エンジンである場合にのみ、ページにテキストやキーワードを挿入する
質問の言い換えごとにページを量産する 大量生成されたコンテンツの不正使用 生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること
量産したページを複数のサイトに分ける 大量生成されたコンテンツの不正使用 コンテンツを大量生成したことを隠す目的で複数のサイトを作成すること
地域名を並べた文を置く キーワードの乱用 特定の都市や地域に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために、都市名や地域名を羅列したテキストのブロック

AI 向けの指示文を隠して書く:隠しテキストとクローキング

隠しテキストと隠しリンクの不正使用は、次のように定義されています。

隠しテキストや隠しリンクの不正使用とは、検索エンジンを操作することのみを目的としてページにコンテンツを配置し、人間のユーザーには見えにくくする行為です。

原文が例に挙げている隠し方は次の 5 つです。

  • 白の背景で文字の色を白にする
  • テキストを画像の背後に置く
  • CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
  • フォントサイズまたは不透明度を 0 に設定する
  • 目立たない 1 文字(段落の中頃にあるハイフンなど)のみをリンクにすることで隠す

この見出しの配下を「AI」「指示」の語で探した範囲では、AI 向けの指示文は例示に書かれていません。ただし定義が見ているのは、書いた中身ではなく、人に見えにくくすることと、検索エンジンを操作する目的です。

指示文を人には見せず、検索エンジンが読むときだけ差し込む作りなら、クローキングの例示と同じ形になります。原文の例示は「ページをリクエストしたユーザー エージェントが人間のユーザーではなく検索エンジンである場合にのみ、ページにテキストやキーワードを挿入する」です。

質問の言い換えごとにページを量産する:大量生成されたコンテンツの不正使用

この手法には、Google の生成 AI 機能向けのガイドが名指しで答えています(Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」)。ガイドは、ユーザーが検索しそうなすべてのバリエーションに対応するコンテンツを個別に作りたくなるかもしれない、と前置きしたうえで次のように書いています。

主に Google 検索のランキングや生成 AI の回答を操作することを目的としてこれを行うことは、Google のスパムに関するポリシーにおける大量生成されたコンテンツの不正使用に違反します。

ポリシー側の定義は「ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成すること」です。原文はこの不正行為について「その作成方法は問わず」と書き、例の 1 つ目に生成 AI ツールでの大量生成を挙げています。

ガイドは効果の面にも触れ、長期的な戦略としても効果的ではないとしています。理由は、ページ数が多いからといって、ウェブサイトの品質が高くなったり、ユーザーとの関連性が高くなったりするわけではないためです。

地域名を並べたページ:キーワードの乱用と誘導ページ

地域名を扱うページは、2 つの項目に例示があります。キーワードの乱用の例示は「ウェブページが特定の都市や地域に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために、都市名や地域名を羅列したテキストのブロック」です。誘導ページの不正使用の例示は「特定の地域や都市を対象としたドメイン名やページを複数持ち、それらのドメインから 1 つのページにユーザーを誘導する」です。

自社を 1 位に置いた比較記事:例示は無く、効果も続きにくい

自社を 1 位に置いた「おすすめ比較」記事そのものは、ポリシー全文を「比較」「おすすめ」の語で探した範囲では、例示に書かれていません。例示に近い形になるのは、同じような記事を量産して複数のサイトに分けて置く場合です。

他社のサイトに自社推薦の記事を載せてもらう場合は、サイトの評判に関するポリシーが関わります。このポリシーは、ホスト サイトの既存のランキング シグナルの利用を主な目的として、そのサイトにサードパーティ コンテンツが公開されている場合に適用されます。一方で、PR 記事やネイティブ広告でも、検索ランキングの操作ではなく、読者に直接共有することを目的とするものは、違反と見なされない例に挙がっています。ただし、お金を払って載せる記事広告やネイティブ広告に、ランキング クレジットを転送するリンクを入れると、リンクスパムの例示に当たります。そのリンクに rel="nofollow" 属性か rel="sponsored" 属性を設定していれば、ポリシーの違反にはなりません。ホスト サイト側で何が審査されるかの詳細は本記事の対象外です。

効果の面では、Ahrefs の実験が参考になります(Ahrefs「Self-Promotional Content Works—Until It Backfires (AI SEO Experiment)」)。Ahrefs は、自社のツールとカンファレンスを推薦するページ 34 本を 5 つのドメインに公開し、ChatGPT・Gemini・Perplexity・Copilot の回答 9,886 件を分析しました。集計の期間は 2026 年 2 月 7 日から 5 月 31 日です。

  • 新しいカンファレンスは、推薦ページを公開したあと、それまで名前が出ていなかった AI アシスタントの回答に出るようになった
  • すでに知られていた自社ツールでは、同じ種類のページの効果はほとんど見られなかった
  • カンファレンスを推薦するページが引用された回答のうち 43% は、そのカンファレンスに 1 度も触れず、同じページに載っていた別のカンファレンスを勧めていた(Ahrefs の実験)
  • 引用は長続きせず、最初と最後の引用の間で、そのページが引用された日はおよそ 3 日に 1 日だった

Ahrefs 自身も、自分で書いたリストの最上位に自社を置くことは、AI アシスタントと読者が割り引いて見るようになる自己宣伝の信号だとしています。どんな条件で効果が出やすいかについての Ahrefs の仮説は本記事の対象外です。

この実験が数えたのは 4 つの AI アシスタントの回答で、Google 検索の結果ではありません。Google のポリシーの適用を示すものではありません。

違反にならないと原文が書いているもの

隠す・リンクを売る・転送するといった行為も、それだけで違反になるわけではありません。原文は、違反にならない例を項目ごとに書いています。

項目 原文が違反にならないとしている例
隠しテキストと隠しリンクの不正使用 追加コンテンツの表示 / 非表示を切り替えるアコーディオンやタブ形式のコンテンツ
隠しテキストと隠しリンクの不正使用 スクリーン リーダーを使用するユーザーのエクスペリエンスを高めることを目的として、スクリーン リーダーのみがアクセスできるテキスト
リンクスパム rel="nofollow" 属性や rel="sponsored" 属性を設定した広告やスポンサーのリンク
不正なリダイレクト サイトを新しいアドレスに移転する
サイトの評判に関するポリシー コラム、意見記事、記事、その他の編集記事

判断の基準は目的

不正なリダイレクトの節は、見分け方を「リダイレクトがユーザーまたは検索エンジンを欺くことを意図したものかどうかを確認してください」と書いています。クローキングの節にも、ペイウォールの内側のコンテンツを Google が参照できるようになっていて、Flexible Sampling に関するガイダンスに沿っていれば、クローキングとは見なされないという記述があります。

違反を続けるために別のサイトを作る

ポリシーの回避の節は、ポリシー違反を続ける目的で既存のサブドメイン・サブディレクトリ・サイトを使ったり、新たに作ったりする行為を挙げています。こうした行為に関与し続けたサイトに対して、Google は検索の一部の機能の利用資格を制限または削除するなど、適切な措置を講じることがあるとしています。

業者の LLMO 対策の提案を照合する順

Google は、外部の SEO に関するアドバイスを公式ガイドと照らし合わせて評価するよう勧めています(Google 検索セントラル「サードパーティの SEO ツール、サービス、アドバイスの使用に関する Google 検索のガイダンス」)。このガイダンスは、回答エンジン最適化(AEO)や生成エンジン最適化(GEO)と呼ばれる AI 機能向けのアドバイスやツールにも触れています。SEO サービスを依頼する会社を検討している場合については、会社の選び方と作業の評価方法に関するヒントをまとめたガイドを案内しています。

ガイダンスが挙げる注意点のうち、提案を受けたときに効くのは次の 2 つです。

  • 「Google はサードパーティ サービスを評価していないため、そのような主張やほのめかしを行うサービスには注意してください。」
  • 「サードパーティ ツールは、Google の内部ランキング データにアクセスすることも、パフォーマンスを保証することもできません。」

生成 AI 機能向けのガイドも、AEO や GEO として提案されている「ハック」の多くは効果がなく、Google 検索の実際の仕組みによってもサポートされていないとしています。

提案を受けたら、次の順に原文と照らし合わせます。

  1. 人に見えない文章や、検索エンジンにだけ見せる文章を置くか。置くなら、隠しテキストとクローキングの定義と照らし合わせる
  2. ページ数を増やすことが手法の中心か。そうなら、大量生成されたコンテンツの不正使用の定義と照らし合わせる
  3. 他社のサイトや複数のサイトに記事を置くか。置くなら、サイトの評判に関するポリシーと、大量生成の例示と照らし合わせる。お金を払って載せるなら、リンクスパムの例示とも照らし合わせる
  4. Google の承認や、順位・表示の保証をうたうか。うたうなら、サードパーティのガイダンスの注意点と照らし合わせる
LLMO対策とGoogleのスパムポリシー: 提案を受けたら、見えない文・ページの量産・他サイトへの掲載・保証の 4 点を順にポリシーの項目と照らし合わせる流れ(出典: Google)
LLMO対策の提案を原文と照らし合わせる順

4 番目については、DigitalGOAT編集部も業者選びのチェック項目の 1 つに「順位保証を謳う業者を避ける」を挙げています。

LLMO対策とGoogleのスパムポリシー: AI にだけ見せる文を書いた GOAT君 が、人に見えない文は隠しテキストだと知り、読む人に向けて書き直す 4 コマ(出典: Google)
AIにだけ見せる文は隠しテキスト

まとめ

  • Google のスパムに関するポリシーは、生成 AI の回答を操作する試みもスパムに含めています。2026 年 5 月 15 日に更新履歴で明確にされました
  • 違反したサイトは、掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります
  • AI 向けの隠し文は隠しテキストとクローキング、質問ごとのページ量産は大量生成されたコンテンツの不正使用の定義と照らし合わせます
  • 違反にならない例も原文にあり、どれも読む人のための目的がはっきりしています

照らし合わせて手元に残った施策は、やってよい施策の条件に照らして選ぶ段階に進めます。条件はAIO対策の基本で確かめられます。