サイト内検索機能が生成する「検索結果ページ」——訪問者がサイト内で何かを検索したときに表示される、URLパラメータ付きの動的ページのことです。このページをGoogleにクロールさせないようrobots.txt等でブロックするのは、長年ローカルSEO・ECサイト運用の基本作法でした。ところがこの前提が、2026年7月末に変わりました。Googleのジョン・ミューラー氏が、内部検索結果ページのクロールブロックはもはやGoogle Search Essentials(旧Google Guidelines、Googleが検索掲載の最低条件として定めるガイドライン)の必須要件ではないと明言したためです。ただし「不要になった」と「ブロックしない方がいい」は別の話で、ミューラー氏自身は依然としてブロックを推奨しています。この記事では、何が変わり、何が変わっていないのかを整理します。
何が起きたのか
Googleのジョン・ミューラー氏はポッドキャスト「Search Off the Record」で、内部検索結果ページのクロールをブロックすることはGoogle Search Essentialsの必須要件ではなくなったと述べたとSearch Engine Roundtableが報じています。あわせて、現在のGoogle検索ポリシーでは検索結果ページのインデックスを許可していること自体はスパムとみなされないものの、技術的には非効率だとミューラー氏は説明しています。これは別の記事でSearch Engine Roundtableが報じた内容です。
つまり「ルール違反ではなくなったが、推奨はしない」というのがGoogleの立場です。ミューラー氏自身、内部検索結果ページのブロックは今後も推奨するとSearch Engine Roundtableに伝えており、義務が任意の推奨事項に格下げされた、という理解が実態に近いといえます。
なぜブロック推奨は変わらないのか
Googleが挙げる理由は大きく3つに整理できます。
1つ目はサイト品質への影響です。Googleは内部検索結果ページのブロックを推奨する理由として、サイト内容の薄まりや低品質ページ・ソフト404ページ(存在しないコンテンツなのにエラーを返さず200 OKを返してしまうページ)の増加につながる可能性を挙げています。
2つ目はクロール効率とサーバー負荷です。内部検索結果ページのインデックスを許可するとサーバーが遅くなり、それがGoogleによるサイトの他ページのクロール速度にも影響しうると報じられています。検索パラメータの組み合わせは理論上無限に近く、Googleのクローラーがそれらを大量に処理しようとすれば、本来インデックスしてほしい商品ページやサービスページのクロールが後回しになるおそれがあるということです。
3つ目はセキュリティ・悪用リスクです。ハッカーがサイトに侵入し、カジノ・医薬品・アダルトコンテンツなど本来のサイト内容と無関係な検索語に対応する内部検索結果ページをインデックス可能な状態で大量生成した場合、Googleがそのサイトを「ハッキングされたサイト」としてフラグ付けする可能性があると報じられています。この種の手口は既存サイトの評価を乗っ取って検索順位を稼ぐスパム手法として知られており、内部検索結果ページはその温床になりやすい構造を持っています。
内部検索結果ページのブロックは、Googleがサイトのスパム防止に関して提供するアドバイスの一部にも位置づけられています。ルール上の必須要件からは外れても、スパム対策上の推奨事項としての位置づけは維持されている格好です。
日本のサイト運用者は何をすべきか
今回の変更で「ブロックしなくてもペナルティは受けない」ことは明確になりました。しかしミューラー氏本人がブロック継続を推奨している以上、既存のrobots.txt設定を今すぐ外す理由はありません。サーバー負荷、ソフト404の発生、ハッキング時の被害拡大という3つのリスクは、ルールの位置づけが変わっても技術的な実体としてそのまま残っています。
特に注意したいのは3つ目のハッキングリスクです。内部検索サイトのURL設計によっては、外部から任意のクエリを埋め込んだURLが生成できてしまう場合があります。この状態を放置していると、サイトが侵害された際に無関係なスパムページが大量にインデックスされ、サイト全体の評価に悪影響が及ぶ可能性があります。ECサイトや会員制サイトなど内部検索機能を持つサイトを運用している場合は、robots.txtやnoindexタグで内部検索結果ページを引き続きブロックしておくことが無難です。
今回の報道は2026年7月31日付です。Googleのガイドラインは今後も細かく更新される可能性があるため、内部検索結果ページの扱いについては、今後の公式ドキュメントの更新も継続して確認する必要があります。